10.02.04 UPDATE
3代目社長の感性と経験から生まれる、
エレガントなネクタイ
ユナイテッドアローズがNICKY(ニッキー)のネクタイを取り扱い始めたのは16、7年前まで遡る。1989年頃にクリエイティヴ・ディレクターの鴨志田さんが当時まだメンズのバイヤーを担当されていたときに、フィレンツェのある店でディスプレイされていたNICKYのネクタイを発見。その後さまざまなショールームで探したそうだが、なかなか見つからなかったらしい。理由はなんと、鴨志田さんがNICKYをMICKYとスペリングを間違えて覚えていたから(笑)。
その後、3代目社長のピエロ・ベンドーニさんと出会って取引を開始。1917年にミラノで創業した老舗ブランドなのだが、2代目社長が売却を考えていたときにピエロさんが社を引き継いだというわけ。彼は美術品や建築に造詣が深く、バカンスは家族でヴェニスの別荘で過ごすという、エレガントな感性の持ち主。ネクタイを通して1940〜’50年代の男性のエレガンスを現代に伝えたいという思いを抱き続けているそうだ。
現在でも年に2回のピッティやミラノに出張した際に、丸一日かけてNICKYのネクタイを選ぶそうだ。ピエロ社長は本当にネクタイが好きな人で、ネクタイにまだなっていない生地を1000枚近くプレゼンしていくという。その話をすべて聞き、吟味していく鴨志田さんとのやりとりはまさに真剣勝負。もっと気軽なオーダー会を想像してしまうが、二人の信頼関係からなる、とても緊張感のある儀式めいたオーダー会なのだそうだ。
NICKYのネクタイは毎シーズンそれほど大胆な変化はないが、素材や組織、配色を微妙に変化させている。男らしいシックなデザインが多いのが特徴だが、その時代の気分が確実に盛り込まれているのだ。気分というのは、そのときの音楽や美術、さらに市況に加えた社長自身の経験から時代の空気感を読み取り反映させているという。本当に感性が豊かな人なのである。
そんなNICKYの今シーズンのネクタイを見ると、春らしい明るいブルーのチェックや、サテン仕上げの小紋柄など、シックなデザインではあるが独特な色合いとセンスを感じさせてくれる。毎シーズン、変わらないようで新しい表情を見せてくれるNICKY。現在でもユナイテッドアローズでは、お客さんからもっとも支持されるネクタイブランドなのである。
文:倉野 路凡 写真:猪又 直之
NICKY(ニッキー)
| OPER3 各1万4700円 |
お問い合わせ:
ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館
TEL.03-3479-8180
※この情報は、2010年2月4日の情報です。
