ファッション

11.11.17 UPDATE

マシンの積極活用でたどり着いた
イタリアに比肩する極上パンツ

エミネント

 パンツというジャンルに限れば、イタリア勢の優位は揺るがない。それはひとえに、くせ取りをスタンダードスペックとしているからだ。くせ取りとはヒップやふくらはぎの凹凸に沿うよう、アイロンワークにより生地を馴染ませる工程をいう。体にフィットしたシルエットが正義となった今、この工程を経ないパンツが窮屈なことはいうまでもないが、熟練した手仕事必須ゆえ、後発の日本勢は後塵を拝している、というのが現状。なかで唯一、イタリアの名門老舗にも対抗できる存在がエミネントである。
 戦後間もない1949年にスラックス販売業として大阪で創業したエミネント。1960年に製造に乗り出すと、その9年後には現在の拠点となる長崎・松浦市に工場を新設、現在は日産1600本を生産する一大メーカーに。優れたファクトリーとして業界からの信頼も厚いエミネントの凄みを知るには、オリジナルのカルツォーニは格好のケーススタディだ。
 カルツォーニのパンツは完成するまでに123の工程を経る。その工程数は一般的なそれの2倍近いというから、この事実をもってしてもいかに突出した存在であるかがわかるが、醍醐味は20を超えるプレス加工の工程だ。職人がアイロンを駆使して立体をつくり上げていく工程もさることながら、看過できないのは尻や小股といった要所で登場するプレス機の存在である。
 どうにも日本では手仕事を最上とするキライがあるが、あれは職人の技量に左右される。それこそ名の知れたテーラーにのみ許されるものだ。この点を理解するエミネントは日本に数台しかないそのマシンをいち早く導入し、均一で立体的なパンツづくりを志向した。現場の声を拾いつつマシンそのものも改良に改良を加えた生産態勢は、ヘタな職人を軽く凌駕しているといっていい。
 カントリージェントルマンを彷彿とさせるウールジャージー。これをテーパードで仕上げたこちらの新作にも、以上のノウハウはたっぷりと込められている。

文:竹川 圭 写真:猪又 直之

Calzoni(カルツォーニ)

アイテム:テーパードノータックパンツ
価格:2万2000円

お問い合わせ:

エミネント
TEL.03-5695-2081
www.eminento.co.jp

※この情報は、2011年11月17日(木)時点の情報です。