メンズバック&アクセサリー

07.10.16 UPDATE

革の魔術師が生み出した、オン&オフで
使えるパンチング革の上品トート

 「この引き出しのレザープルは僕が取り付けたものだよ」「このキャビネットは木製だけど、あとから僕が総革張りにしたんだ」「自転車のサドルに付いてるレザーポーチは僕の自作」…。さまざまなインテリアやレザーグッズなどの写真を指さしながら、ビル・アンバーグ氏は本国にある自宅の様子を解説してくれた。感心したのは、いたるところに革使いのインテリアやグッズなどが見受けられ、しかもそのほとんどが同氏の自作である点だ。「ベジタブルタンニンでなめされた革が一番好きだな。使い込むとさらに美しくなるのが素晴らしい。そうやってエイジングされた革には心を安らかにしてくれる力があるんだ」とアンバーグ氏。
  世に革好きは多いけれど、同氏ほど革という素材に熱中し、また、その魅力を知り尽くした人物は稀にちがいない。もっとも、出身地がノーサンプトンシャー州(1962年生まれ)と聞いて納得できた。アンバーグ氏は英国における製革や製靴の中心地ノーサンプトンの近郊で生まれ、成長したのである。
  おまけに母親が建築家というのだから、同氏が今日「革の魔術師」などと呼ばれるほど、革使いに長けたデザイナーとして大成功をおさめたのは当然のことのように思えてくる。
  1982年に自らのブランドを立ち上げ、ブライドルレザーの胴にアルミハンドルを取り付けた「ロケットバッグ」をヒットさせ、一躍、世界中から注目されたアンバーグ氏。近年は小物類から家具にいたるまで幅広いデザインを手掛け、ダンヒルのレザーラインでアートディレクターを務めるなど話題も多い。
  そして六本木ヒルズ内の高級インテリアショップ「BALS TOKYO ROPPONGI by AGITO」とのコラボレーションもまた、そうした同氏の多彩な才能を示す取り組みのひとつといえる。
実は写真は、同店で展開されている新作の手提げ用トートバッグである。その最大の特長はご覧のとおり、前胴と後胴にパンチングレザーが採用されている点だ。パンチングレザーはこの1、2年のトレンドだが、アンバーグ氏はそのパンチングを、しなやかで風合いに富んだタンニンなめしの上質カウハイドに施すことで、ラグジュアリーだが落ち着きある、大人のためのトートバッグを作りあげたのだ。また、収納部は何より「シンプルであること」を好むアンバーグ氏のモットーに沿った大変簡素なものとなっているのだが、マチのジッパーを開くことで底マチ側が拡張する、いわゆるエクスパンダブル構造を取り入れることで、荷が増えた際の収納力アップに対応している。
  昨今、ビジカジ製品(ビジネスにもカジュアルにも対応できる製品のこと)が注目されているが、本品はトートとはいえ極めてドレッシーであるがゆえに、いわゆるビジネストートとしても気後れなく使用できるのがいい。もちろん使い込んで革を味出しすれば愛着が増すのみならず、アンバーグ氏が言うところの「心を安らかにしてくれる力」も実感できるだろう。

文:山田 純貴 写真:綿屋 修一

BILL AMBERG(ビル・アンバーグ)

アイテム:トートバッグ
コレクション名:MODERN TRAVELLER COLLECTION(モダントラベラー コレクション)
モデル名:LANDSCAPE TOTE(ランドスケープ トート)
品番:30249SP/T
外装:カウハイド製パンチングレザー×スムースカウハイド
内装:コットン
収納部:メインコンパートメント1室(ジップポケット1室内蔵)
付属機能:ジッパー操作で両横マチ&底マチ拡張
寸法:W43×H32×D13(拡張時22)cm
カラー:ブラック、ブラウン、タンの3色展開
価格:10万円
※同型・同価格で外装がスムースカウハイド製タイプ(ブラック、ブラウン、タンの3色展開)もあり。

お問い合わせ:

BALS TOKYO ROPPONGI by AGITO
TEL.03-5770-4411