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07.11.21 UPDATE

銘器ストラドを彷彿させる、
リッチなレジンボディ

 モンテグラッパから新しいコレクションが発表された。「Genio Creativo」(ジーニオ・クリエイティボ)コレクションは、新しい世界観を世に知らしめた歴史的人物を毎年選び、限定モデルとして捧げるというもの。その記念すべき1回目は弦楽器製作者として伝説になっているアントニオ・ストラディバリである。
  天才的な名工と称されるアントニオ・ストラディバリは、1644年頃にイタリアのベルガモで生まれている。93歳で亡くなるまで、朝早くから仕事にかかり夜遅くまで製作に励んだ勤勉人物だったといわれている。もともと才能があり、さらに努力したというわけである。当時ヨーロッパ中に名の知れたヴァイオリンを手掛けていたクレモナのニコロ・アマーティの工房に弟子入りし、その後独立して自らの工房を構え、王侯貴族や地元の演奏家、収集家のためにヴァイオリンを製作している。彼の手がけた初期のヴァイオリンには美しい装飾が施されたものもあり、優れた彫刻家であったとも伝えられている。彼は生涯に1000本(挺)以上製作し、現存しているのは650本といわれている。現在の名職人が年間10本程度製作していることを考えれば1000本という数は多過ぎる気もする。おそらく工房の弟子たちが手掛けたものも含んでの数だろう。そのうちの1700年頃から20年間にわたり製作されたヴァイオリンはとくに銘器と称され、現在では時価数億円で取引されているとか。詳しくはわからないがストラディバリウスも含めて、オールドヴァイオリンの魅力は見た目の美しさも大きい。とくに素人が見て「美しい」と感じるのは裏板のメープルの模様やニスの色だろう。現在でも良質のヴァイオリンは厳選された木材を何年にもわたって自然乾燥させて使っているが、ストラディバリの時代も同じように材料にはこだわったはずだ。昔から表板には唐檜(トウヒ)、裏板にはメープル(楓)が使用されている。
  さて、モンテグラッパは、ストラディバリウスの板の色からインスピレーションを受けて、赤みの強いレジンをボディとキャップに使っている。ふっくらとしたボディはヴァイオリンのもつ優雅さを表し、そしてクリップに描かれた線は弦をイメージしている。いつもの気分が高揚するモンテグラッパではなく、もっと格調高い静けさに包まれている気がする。18Kのペン先にはASの頭文字と、ヴァイオリンのフォルムが精巧にエングレービングされ、キャップの頂には天才を象徴するトパーズの装飾が施されているのだ。なんといっても特筆すべきはレジンの色だろう。素人の発想ではメープル材にニスでも塗ればいいと思ってしまうが、何年も使うとオリジナルの色から遠のいてしまい、美しさも半減してしまう。その点レジンなら何年使っても美しさを保つことができる。
  本物のストラディバリウスの銘器は書籍や演奏会でしか見ることができないが、この筆記具ならいつでも触れることができる。もしかしたらこの限定筆記具も後に銘器といわれるかもしれない。

文:倉野 路凡 写真:綿屋 修一

Montegrappa(モンテグラッパ)

アイテム: 万年筆
シリーズ名: ジーニオ・クリエイティボ コレクション
モデル名: トリュビュート オブ アントニオ・ストラディバリ(アントニオ・ストラディバリに捧ぐペン)
胴軸&キャップ素材: レジン/プラチナフィニッシュ
クリップ素材: プラチナフィニッシュ
万年筆ペン先素材: 18K
インク吸入方式: 吸入式
ペン先サイズ: F、M
製造国: イタリア
発売年月: 2007年10月 
生産本数: 万年筆 限定2000本、ローラーボールペン 限定3000本、ボールペン 限定5000本
万年筆: 131250円
ローラーボールペン: 99,750円
ボールペン: 69,300円

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