アクセサリー

08.04.08 UPDATE

こだわりの革使いと素朴な意匠が味わい深い大人トート

 トレンドに寄りがちなイタリアのカジュアルブランドの中にあって、ブッテロは明確なコンセプトを掲げ、揺るぎなくアイデンティティを主張し続ける希有な存在といえよう。イタリア語で「沼地の牛飼い」を表すブランド名のとおり、「アメリカンカウボーイのイタリア版」をコンセプトに描かれるマカロニウエスタン的世界観は、他に類するもののない無比なるロマンに満ちている。
 トスカーナ州の小さな町スタッビアに本社を構えるブッテロは、若き日にタンナーやシューファクトリーで製革法や製靴法を学んだマウロ・サーニ氏(1943年生まれ)が独立後の1964年にスタートさせたシューズブランド「マウロ・サーニ」をルーツとする。1973年、同氏がローマでマカロニウエスタンの名優ジュリアーノ・ジェンマ氏にスパゲットブーツ(イタリア製ウエスタンブーツ)を提供し話題となるのだが、おそらく、これがブッテロ誕生の大きな契機となったのだろう。翌'74年、ウエスタンブーツや乗馬ブーツのブランドとしてブッテロが立ち上げられたのだった。
 このブランドの見事なところは、当初からのブランドコンセプトを少しもブレさせることなく、次第にその世界を拡大することに成功した点だ。やがてタバコやマッチが収まるポケット付きブーツ、あるいはモッズブーツなども展開。クラシックをベースにしつつ、アルティジャナーレ(手作業)による温もりあるネイティブでトラディショナルな靴の世界を確立。創業者が製革にも通じているからであろうか、革へのこだわりも徹底しており、地元トスカーナ州における革の一大生産地サンタ・クローチェのナチュラルなタンニングレザーなどを多用。ときにはウォッシュド加工やダメージ加工などを取り入れるなどし、素材使いにおいても独自性を表現することに成功した。また、2004年、このブランドの世界初の直営店となる「ブッテロ トーキョー」がオープン(日本初上陸は1990年)したのを機にバッグやベルト、革小物などのカテゴリーにも進出。「ブッテロ=レザーアイテムブランド」のイメージを創り上げたのだった。
 写真は、そんなコンセプチュアルなブランドの新作トートバッグだが、このカントリーテイストの味わいあるボヘミアンな佇まいは、いかにもブッテロ的である。外装に採用されている革が、また個性的だ。前・後胴の革はやはりサンタ・クローチェ産で、クロームでなめされた牛スエードに格子状パターンのパンチング風スタンプ加工を施し、シリコン仕上げで防水性をもたせたという、なんとも凝った素材だ。いっぽう、マチやハンドルなどに採用されているのはサンタ・クローチェにあるエコペル社のベジタブルタンニンレザーで、染色後に水と中性洗剤で洗いをかけ、その後に熱した銅版でプレス加工を施したという、こちらもこだわりの素材である。聞けば、このコンビネーションは同ブランドのミドルカットサイドゴアブーツやローパーブーツにも採用されているものだそうだが、その独特のヴィンテージライクな風合いと色合いがブッテロらしく、なんとも魅力的なのだ。ブッテロ トーキョーでは昨今トレンドのアメリカンカジュアルのアクセントに、このバッグを提案しているが、なるほど、旬なアウトドアスタイルにはもちろんだが、逆にきれいめなプレッピースタイルにも意外とよくマッチしそうである。また、若い層もミドルエイジも違和感なく持つことができるのも嬉しいところだ。
 ちなみに、基本的に極めて素朴なバッグではあるのだが、開口部センターのレザーベルトがピンバックルの操作なしにマグネットで着脱できたり、ファスナーやサイドベルトの調整でマチ幅を11cmも拡張できるなど、シンプルながら使い勝手も上々。見た目や素材のよさのみならず、機能面でも怠りはないのだ。。

文:山田 純貴 写真:綿屋 修一

BUTTERO(ブッテロ)

アイテム:トートバッグ
品番:A64
外装:伊サンタ・クローチェ産スタンプスエード(シリコン仕上げ)×伊エコペル社製ベジタブルタンニンレザー(ウォッシャブル加工+銅版プレス加工)。拡張用のマチはスエード製
内装:コットン
収納部:メインコンパートメント1室(ジップポケット2室内蔵)
金属パーツ:ピンバックル、オーリング(以上ニッケル製)、マチ拡張用ファスナー
サイズ:W35×H35×D12(拡張時23)cm
カラー:ブラウンのみ
その他:ハンドルは肩掛け可。センターストラップはマグネットで着脱可(ピンバックルの操作不要)。両横&底マチのファスナー、およびサイドストラップでマチ幅を拡張可
製造国:イタリア
価格:9万1350円

お問合せ:
ブッテロー トーキョー TEL.03-5766-1718
http://www.butterotokyo.co.jp/