アクセサリー

08.04.22 UPDATE

'50年代スタイルを小粋な"遊び心"で
モダナイズさせたポップなメタルフレーム

 一見、ちょっと懐かしいウェリントン・タイプのセルフレーム。そしてよく見るとフロントの表はパープルで、裏側はピンクというバイカラーだ。だが、手に持って見入ればそれがセルフレームではなく、メタルフレームであると気がつく。なんと、このフロント。ユニークなデュアルレイヤー構造になっており、すなわちレーザーカットによる厚さ0.5mmのステンレススチール製の、色の異なる2枚のシートから構成されている。具体的にはマット調パープルのシートの裏側に、一定の隙間を設けた状態で、やはりマット調のピンクのシートを重ね、その2枚を小さなネジでリンクさせているのである。そして、これが樹脂製にも見えるマットな質感と相まって視覚上の錯覚を引き起こし、このフレームを透明感のあるセルフレームに見せているのだ! 加えてシートの柔軟性やフレーム全体の軽さを維持しつつ、この構造がフロントを堅牢なものにしてもいる。
 こうした個性的なフレームを展開しているベルギーのアイウェアブランド、テオは1987年、ふたりの眼鏡店経営者、すなわちパトリック・フート氏とウィム・ソーメルス氏により設立。ブランド名のテオ(THEO)はフート(HOET)の綴(つづ)りを並び変えたアナグラムだという。そして、そのフート氏がデザインするアイウェアはアヴァンギャルドではあるが、顔全体のキャラクターを巧みに引き立て、しかも不思議と表情に馴染むという特徴をもっている。
 ところで、そのテオが昨年、創業20周年を記念して発表したのが写真のモデル「ヴァントロワ」を含む、デュアルレイヤー&バイカラーのコレクション「ヴィンテージ」コレクションである。これは1950年代後半のロックミュージック創成期に第一線で活躍したバディ・ホリー、レイ・チャールズ、ロイ・オービソンたちがしばしば愛用していたツートンのプラスチックフレームのメガネやサングラスをもとに、それを(リメイクではなく)現代風にリ・スタイリングしたコレクションなのだ。そして、こうしたヴィンテージアイウェアをベースにしたことを「ヴィンテージ」というコレクション名で表現。さらに「Vintage」の「n」と「t」の間に「g」を加えて「Vingtage」→「Vingt age」として、テオの創業20周年を同時に表している(「Vingt」はベルギーの公用語のひとつであるフランス語で「20」なので、「Vingt age(バン アージュ)」は「20歳」の意味になる)。したがって「Vingtage」コレクションは同時に「ヴァンアージュ」コレクションでもあるのだ! このダブルミーニングのネーミング。先述のブランド名のいわれと共通するものがあって、いかにも"おちゃめなテオ"らしい。
 ところで、この「ヴィンテージ」には全部で5モデルがあり、フレームの形状などの違いからそれぞれ「Vingt-un」「Vingt-deux」「Vingt-trois」「Vingt-quatre」「Vingt-cinq」と命名されている。フランス語で「un」「deux」「trois」「quatre」「cinq」は「1」「2」「3」「4」「5」なので、例えば写真の「Vingt-trois」は「ヴァントロワ」と読み、「ヴィンテージ」コレクションの3番目のモデルという意味になるわけだ。なお、その5モデルはボストンやスクエア、変形オーバルなどのデザインバリエーションなのだが、いずれもレトロデザインをベースにしたセル・ライクなデュアルレイヤー+バイカラーという点は共通している。
 さて、写真のロイ・オービソン風というか、レイバンの「ウェイファーラー」風の「ヴァントロワ」は他の4モデルと同様、8種類のカラーバリエーションで展開されており、いずれもテオらしいカラフルでポップな色合いで私たちを楽しませてくれる。昨今、欧米では1980年代のカルチャーが見直されているようで、日本でもその兆しが見受けられるが、そういえばあの時代、「ウェイファーラー」の人気が復活し、ロイ・オービソンがトム・ペティたちからリスペクトされて再脚光を浴びていた。時代は繰り返しめぐるものだから、'50年代→'80年代→現代とメガネのトレンドもグルッとひとまわりし、こうしたモダナイズされたノスタルジックなフレームが今、新鮮に見えるのだろう。ミラノで、このコレクションが大絶賛されたのも、そんな時代背景があるからかもしれない。

文:山田 純貴 写真:綿屋 修一

THEO(テオ)

アイテム:メガネフレーム
コレクション名:VINGTAGE(ヴィンテージ)、またはVINGT-AGE(ヴァンアージュ)
モデル名:VINGT-TROIS(ヴァントロワ)
フレームタイプ:ウェリントン
フロント:ステンレススチール製デュアルレイヤー構造
テンプル:ステンレススチール製
モダン:プラスチック×ラバー
全幅:138mm
レンズ内径:W32×H45mm
カラー:ジャズキャラメル×ブラウン、パープル×ピンク(写真)、ブルー×エリーブルー、ブラック×シルバー、レッド×ベージュ、グリーン×イエローグリーン、ブルースグリーン×グレー、エリーブルー×パープルの全8色展開
価格:5万2500円

お問合せ:
テオ・ジャパン TEL.045-290-0367
http://www.theojapan.jp
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