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08.07.29 UPDATE

控えめグラマラス! '80年代を風靡した傑作サングラスが完全復刻

ファッションにおいて'70年代と'90年代は"シンプルさ"とか"ナチュラル"といった点で通底しています。実際、'90年代の後半はネオ・セブンティーズがトレンドで、たとえばフレアパンツやミニスカートが復活し、女性水着はワンピースからビキニに戻り、メンズファッションは概してシルエットが細身に、と、'70年代に範を求めたかのような傾向がいたるところに見受けられました。
ところが、この2つの時代に挟まれた'80年代は(よく言われることですが)異質というか、ちょっと独特です。ことに日本の場合、その後半がバブル期だったこともあり、どこか"過剰"なイメージもあります。まぁ、10年間もあるのですから、その中にはいろいろな流行がありました。初期は'70年代後半から引き継がれたサーファーファッション。「ブリリアント」がキーワードだったクリスタル族。また、原宿では竹の子族・・・・。中期には"全身真っ黒に肩パッド"なイメージのDCファションが席巻してましたっけ。さらにバブル期は女性のボディコンがアイコンで、男のお洒落スーツはアルマーニ系。すなわちジャケットは大きなVゾーンで袖長め。パンツはワタリのゆったりしたツープリーツの、裾幅の広いタイプをツークッションで履きました。と、こうして見ると、あの頃のファッションは、よりグラマラスな方向へ進化していったようにも思えます。
まぁ、決して'80年代をネガティヴにとらえているわけではなく、しかし、ただ懐かしんでいるのでもありません。言いたいことは、ようやくそんな時代のエッセンスが最近、見直されつつあるということ。もちろん'90年代がそのまま'70年代ではなかったように、今どきの'80年代風は当時よりもずっと洗練されているわけですが・・・・。
そしてこのエイティーズ・ファッションへの回帰が、今、カザールの追い風になっています。
1975年にインダストリアルデザイナーのカリ・ツァローニ氏によって設立されたカザールは、職人による伝統的な製法をベースにしつつ、時代に左右されることなく、常にグラマラスでアヴァンギャルドなアイウェアを展開してきました。なにしろ万事が質実剛健で、見た目シックなドイツ製品の中にあって、大胆で華やぎある同ブランドの製品は異端ともいうべきもの。当時としてはあまりに冒険的だったに違いありません。
ところが、その後に訪れた'80年代はカザールの時代でした。鬼才ツァローニ氏の奔放な発想から生み出されるダイナミックな造形、ひと目で強力なインパクトを与える装飾、変化自在なカラーリングは他社製品にはない魅力で、それが世界中のファッショニスタらを魅了。ハリウッドスターやミュージシャンもカザールを愛用することになったのです。ことに'80年代後半に台頭したヒップホップカルチャーの世界では、このブランドの製品は定番中の定番アイウェアとして認知されていったのです。
そして、そんな'80年代カザールの代表作ともいうべきが「タルガ」シリーズの「カザール 902」でした。1983年にリリースされたこのサングラスは、その当時らしい大ぶりフレームで、変形五角形の直線的なシルエットがなかなか個性的。しかも、大ぶりの割にテンプルは細く、フロントリムの随所には釘(フック)を刺し、ワイヤーをからめるようにしたデザインは、大きなレンズが外れ落ちないよう機能性も考慮され作られているのがユニークなのです。
ところで、カザールはこのところ、'80年代回帰の時流を受けてということなのでしょう、一連の復刻モデルをリリースしているわけですが、すでにヴィンテージの世界にしか存在していなかった、この「カザール 902」をいよいよ今季、完全復刻で展開することにしたのです! 実は前段として、アメリカの人気アイウェアブランド、ディータ(DITA)がリデザイン、カラーリング、パッケージデザインなどを手掛けたコラボレーション版「カザール 902」がすでにリリースされており、カザール、ディータそれぞれのファンの間で非常に好評を博しています。しかし、今回の「カザール 902」はオリジナルに忠実に復刻されたもの。まさにエイティーズ・スタイルそのものなのです! 「カザールにしてはおとなしいデザインでは?」とのご意見もありましょうが、だからこそ、誰もが気後れすることなく使用できる、というのがこのモデルの利点なのではないでしょうか。ちなみに、写真ではマットブラック・タイプを紹介していますが、なかなか男っぽい印象で、それでいてほどよく色気も感じられ、このあんばいが今どきのファッションによくマッチするかと思います。
カザール・ファンにはもちろん、'80年代が懐かしい人、あるいはあの時代に魅力を感じる人には、これはいち押しのアイテム。ちょっと控えめなデザインですから、「大胆すぎる」とカザールを敬遠してきた人にもお薦めします。

文:山田 純貴 写真 平野 多聞

カザールのサングラスといえば、大胆なテンプルのデザインで横顔を主張しているタイプがほとんどだが、ビッグフレームながら、この「カザール 902」のテンプルは細身で、その印象は控えめだ。

「カザール 902」復刻バージョンにはマットブラックの他に、より洒落度の高いマットブラウン×マットグレー、エレガントなポリッシュドゴールドも。いずれもレンズはブラウングラデーションとなる。

CAZAL(カザール)

アイテム:サングラス
シリーズ名:CAZAL VINTAGE 2008(カザールヴィンテージ 2008)
品名:CAZAL 902(カザール 902)
品番:CZ902
フロント素材:モネル合金
ノーズパッド素材:樹脂
テンプル素材:モネル合金
先セル素材:セルロースプロピオネート
レンズ:CR39プラスチック
レンズ寸法:W68×H54mm
フロント全幅:145mm
フレームカラー:マットブラック(「リカー、ウーマン&ティアーズ」のエクスクルーシブカラー)、マットブラウン×マットグレー、ポリッシュドゴールドの3色展開
レンズカラー:ブラウングラデーション
製造国:ドイツ
価格:56,700円
※マットブラック・タイプのみ、東京・南青山のメンズセレクトショップ「リカー、ウーマン&ティアーズhttp://www.liquorwomanandtears.jp/」の限定販売となります

お問合せ:
エイトオプティク
TEL.03-3834-6080
http://www.eight-optic.co.jp
http://cazal.boq.jp