アクセサリー

08.02.05 UPDATE

ドイツ人気質による精緻な作りと、
革の深みあるバーガンディが魅力の極上男鞄

  ドイツ製高級鞄の象徴的存在であるゴールドファイルは1856年、ハンブルク近郊マイン湖畔の街オッフェンバッハにてルードヴィッヒ・クルム氏とその息子たちによって革小物づくりからスタートした。彼らが作る財布や札入れは貴族らの間でたちまち評判となり、ポーランドやロシアなどでも展開。
 1872年には当時、最大の市場だった英国にも進出を果たした。また、その翌年には現在も本社となっているオッフェンバッハ市の中心地カイザー通り39-49番地に移転している。1929年、当時のオーナー、ハインリッヒ・クルム氏がロンドンとパリを結ぶ豪華列車「ゴールデンアロー号」での旅に感銘を受け、社名を「ゴールドファイル(金の矢尻という意味)」に変更することを決意。翌年4月、この新しいブランド名が登録商標されている。  ところで今日、ゴールドファイルは多彩なコレクションを展開しているのだが、しかし、このブランドの名を聞いて多くの紳士が頭に思い浮かべるのは、やはり「オックスフォード・コレクション」であるに違いない。しかもドイツのブランドながらクラシカルな英国調の端正な佇まいとか、ドイツ職人の卓越技が実感できる縫製やコバ仕上げとか、ゴールドの鏡面が美しい真鍮製メタルパーツなども魅力的ではあるものの、なんといっても印象深いのは革の、あの渋い発色のバーガンディなのである。
 このコレクションに採用されているオリジナルレザー「オックスフォード」の風合いは、他に類をみない全く独特のものだ。南ドイツ産ブルハイド(去勢されていない、生後3年以上の牡牛の革)を植物性タンニンでなめした後、回転する大樽の中でワインレッドに染色。このとき使用されるアニリン染料は透明感に優れているため、革の銀面の質感を効果的に浮き出させる、いわゆる透明仕上げを可能にする。結果、深い発色と繊細な光沢感が得られるのだが、逆に革それ自体の善し悪しがストレートに見えてしまうことから、必然的に傷やアザ、虫食いなどの少ない肌目のきれいな上質革にのみ、この高級染料は使用されることとなる。しかも、こうしてワインレッドに染め上げた後、熟練職人が手作業でそこに黒の染料をすり込んでは拭き取る、という作業を繰り返し行うことで、あの独特の深みあるバーガンディが生み出されるわけなのだ。しかも、この個性的な革は単に美しいのみならず、耐久性に優れ、型崩れしにくいという特長も併せ持っているのである。
 写真は、その「オックスフォード・コレクション」の定番ブリーフケース「60-0935」のうち、やや小ぶりのA4対応タイプだ。外装の革はもちろん「オックスフォード」で、ワインレッドとブラックが織りなす繊細な陰影に、鮮やかなメタルパーツのゴールドが誠によく映えて美しい。胴やフラップ、ハンドル、ショルダーストラップなどに施されたコバ仕上げも大変みごとなもので、また、ハンドルの握り心地には高い信頼性が感じとれる。
 決して派手な存在ではない。しかし十分に個性的であるうえ、ドイツ人気質による徹底した品質重視の姿勢が細部まで行き渡っており、それゆえついつい好感をもってしまう。そして、真に優れた男鞄とはかくあるべきと実感するのである。

 

文:山田 純貴 写真:綿屋 修一

GOLDPFEIL(ゴールドファイル)

アイテム: フラップオーバーブリーフケース
コレクション名: オックスフォード
品番: 60-0935-77-142-4
外装素材: オックスフォード ※南ドイツ産ブルハイドをベジタブルタンニンでなめし、独自のアニリン染色を施したもの
内装素材: ビスコースレーヨン(ブランドロゴ入りジャカード織り)
収納部: メインコンパートメント1室(片側マチ付きジップラージポケット1室、携帯電話ポケット1室、カードポケット3室、ペンホルダー2室内蔵)、オープン式フロントブリーフポケット1室、マグネット付きバックポケット1室
金具: クロームメッキの真鍮に光沢調ゴールドメッキ
サイズ: W34×H29×D6cm
重量: 約1200g
付属品: 着脱式ショルダーストラップ
カラー: バーガンディ(写真)のほか、ブラックもあり
製造国: ドイツ
価格: 16万2750円

お問合せ:
コンテス・ゴールドファイル銀座店
TEL.03-3538-3328