アクセサリー

08.08.26 UPDATE

独自技術で金無垢とチタンが完全接合!
見た目はクラシカルでも、実はハイテクフレームです!

 鯖江などの福井地方が世界的な眼鏡フレームの生産地となったのは、増永眼鏡(本社福井市)の創業者、増永五左エ門氏が明治38年(1905)年に大阪の眼鏡職人をこの地に招いたことに始まります。つまり、同氏と増永眼鏡は福井の眼鏡産業の礎を築いた功労者。実際、同社は昭和43(1968)年の現天皇ご夫妻の行啓など皇室関連の方々や、吉田茂元首相をはじめとするVIPの視察をしばしば受けてきたのです。
 写真の眼鏡フレームは昭和8(1933)年、昭和天皇の福井県への行幸に際し、同社が同天皇に献上した眼鏡をモチーフにしています。その逸品を2005年、創業100周年記念限定モデルとして復刻したところ非常に好評だったことから、後に改良を施してレギュラーモデルにラインアップしたものなのです。ちなみにコレクション名である「GMS」は創業者のイニシャルをベースにした「GOZAEMON MASUNAGA SPECTACLES」の略で、これは同社の象徴的なコレクションであることを表しているのです。
 フレームは昭和初期らしい丸型ですが調べてみますと、日本では戦前、一般に真円のフレームが普及しており、戦後まもなく、進駐軍によってボストンシェイプなどが盛んに持ち込まれました。そして昭和30年代に入るとそのボストンやウェリントン、ブローなどが普及。次第に丸型フレームを目にする機会はなくなりましたが、昭和55(1980)年頃からラウンドシェイプが若い層の間でお酒落眼鏡として復活してもいます。
 この写真のモデルはそんなノスタルジックなセミラウンド・シェイプが特徴ですが、それとともに、ケーブルテンプルが採用され、これがこのフレームをさらにクラシックなものに見せています。ケーブルテンプルは「縄手」とか「巻きつる」などとも呼ばれ、エンドピースが耳に巻きつくように作られたテンプルを指します。もともとは乗馬の際に振動で眼鏡が落ちないよう考案されたもので、いわゆるスポーツ仕様ということになります。また、日本では明治初期からすでに作られていたそうです。
 と、出自といいデザインといい、大変クラシカルなフレームであるわけですが、実はそこに同社が独自に開発したハイテク技術を組み合わせてあるのが、この製品の真骨頂。美しい光沢を放つツートンのメタルフレームは18Kの無垢とβチタンからなっているのですが、とくと見ますとその2素材同士の継ぎ目に隙間がなく、完璧に接合されていることがわかります。融点の異なる2つの金属素材を接合させるのは非常に難しく、それは18Kとチタンでも同様。この高度な接合技術ひとつをとっても、このフレームの存在価値が非常に高いものであることが実感できるはずです。しかも、肌に当たる箇所には柔らかい感触の18K無垢を、弾力性が求められる部分には純チタンよりさらに弾性に優れるチタン合金のβチタンを使用。18K無垢の重みを活かした絶妙な重量バランスと、ストレスの少ないソフトな掛け心地を両立させることに成功させているのです。なお、ケーブルテンプルはデザイン上のポイントになるだけではなく、柔軟に耳にフィットし、落ちにくくずれにくいコンフォタブルな掛け心地を可能にする効果を生んでいます。
 福井でも実は数少ない自社一貫生産メーカーである増永眼鏡を代表する製品ゆえに信頼性は高く、品質は最上級。しかもその佇まいはエレガントで、クラス感も十分です。昨今、人気のあるデザイン系の眼鏡も楽しいのですが、品格を心得る大人であれば、このモデルのようなドレッシーで、しかるべきシーンにも気後れなく使える上質な眼鏡をひとつは持っていたいものです。

文:山田 純貴 写真:平野 多聞

リムはクラシカルなシェイプで、これが細みのフレームやケーブルテンプルなどと相まって、このフレーム全体の印象をさらに一層クラシックなものに見せているのだ。

(写真上)18K無垢をβチタンで挟むように左右から接合しできあがった独自のブリッジ。この美しい切り替えはMASUNAGA独自の接合技術によるものだ。(写真下)同じ技術で作られたテンプル。

MASUNAGA(マスナガ)

アイテム:眼鏡フレーム
商品名:GMS-196N
コレクション名:GMS
フレーム素材:18Kイエローゴールド無垢×βチタニウム(共に鏡面仕上げ)
レンズ形状:セミラウンド
テンプル:ケーブルテンプル
レンズ寸法:W46×H38mm
フロント全幅:127mm
カラー:ナチュラルのみ
価格:19万2150円

お問合せ:
MASUNAGA 1905 TEL.03-3403-1905
http://www.masunaga-opt.co.jp