アクセサリー

08.09.02 UPDATE

外装にリアル・アリゲーター×コードバン採用!
プレシャス革を惜しまず使ったトートの逸品

世にあまたあるレザーアイテムには、実に多種多様な革が使われています。なかには手の込んだ加工がなされた革や魅力的な仕上げが施された革、あるいは非常に希少性の高い革なども存在しています。
では、究極のラグジュアリーレザーとは? 例えば、ガルーシャとかエレファントなどを挙げる人もいるでしょうけれど、筆者としては、それはワニ革だと思うのです。なにしろ、昔からワニ革はプレシャスレザーの王者とみなされてきましたし、その魅力は流行に左右されず、いつの時代にも色あせることがないからです。
そんな高価で贅沢な革が惜しみなく使われた極上のトートバッグの紹介です。
これは、あのカミーユ・フォルネ(1945年、仏ピカデリー地方でカミーユ・フォルネ氏により創業)が今秋リリースする最新作。同社は元来が時計用の高級革ベルトのトップ・ブランドではあるのですが、近年はこうしたバッグや財布なども手掛けており、すでにこれらの分野でも高い評価を得るに至っています。しかも、取り扱う革の種類が多彩で、ポロサスクロコダイルやケイマンといったワニ革も大いに得意としています。そして写真の、この「ドリス」と銘打たれたバッグには、やはりワニ革の一種であるアリゲーターの革がふんだんに使われているのです。
アリゲーターは北米南部のミシシッピー河畔などに棲息するワニで、ミシシッピーアリゲーター、ミシシッピーワニとも呼ばれます。口吻が幅広く丸みを帯びているのが特徴で、性格はクロコダイルより温和。また、斑紋はクロコに比してやや張りで落ちるものの、格付けではクロコのスモールスケール(斑紋が小さく、パターンが整っている)に次いで高価とされています。ちなみに、米ルイジアナ州では州法によって捕獲が制限されていることもあり、その革は非常に高価で取り引きされています。
「ドリス」の外装にはそのルイジアナ州産の、「肚(はら)ワニ」と呼ばれるアゴから肚、尻尾の裏側に至る部位を主に使用。その斑紋はちょうど竹の節にも見えることから「竹符」とか「竹斑」と呼ばれています。また、本品の前・後胴をよく見ますと、センターシームを軸に左右シンメトリカルに斑紋が取られているわけですが、その前・後胴の両脇に「玉符(両脇腹の皮の円、または楕円状の斑紋のこと。「丸斑」「サイドワニ」ともいう)」がほとんど見られないことから、かなり大型の個体から取られた革であることが理解できます。しかも、その竹符は整然としており、したがって相当に厳選された、大変良質な革が使用されているのです。ちなみに、ワニ革と聞くとゴワつきのある硬い革を想像される方が少なくないと思われますが、本品に使われている革は非常にソフトになめされており、体に触れても違和感がなく、心地よく携帯できます。
ところで、このバッグが革好きにとり、さらに興味深いのは丸手タイプのハンドルやマチ幅調整用の横マチのベルトなどにバーガンディ・カラーのコードバンが採用されている点でしょう。この革もカミーユ・フォルネの定番素材。美しい発色、繊細で奥行きを感じさせる光沢、そしてしなやかな風合いが特徴で、しかもマットブラウンに仕上げられたアリゲーター革とともに、使い込むと色ツヤが深まっていくエイジングレザーでもあるのです。
ユニークなのは、コンパートメント開口部に、このコードバンからなるストラップが取り付けてあるのですが、これが時計用革ベルトそっくりのデザインであることでしょう。しかも単に似せてあるのではなく、仕立てや仕上げも時計用ベルトそのもので、留め金具も時計用の美錠なのです。これはデザインの控えめなアクセントであり、同時に元来が時計ベルトのブランドであるカミーユ・フォルネのアイデンティティを主張するディテールにもなっているわけです。それにしても小さいながらも、大変立派に作られており、このストラップだけでも所有することの悦びが実感できるほどです。
ちなみに、その開口部のコバはアリゲーターの革が内折りになっているため、外側からはステッチが見えず、これがまた、このバッグをさらに品よく見せています。また、ライニングには鮮やかなパープル・カラーのシープスキンを採用。こちらも手に触れるとフワッとした柔らかい感触が大変魅力的です。
さて、高級レザーブランドの面目躍如を実感できる、この「ドリス」。実は当初、女性用として開発されたもので、実際、横マチのストラップをスナップで留めると、レディスバッグらしい台形の胴になる設計です。ところが展示会などで男性からも大いに好評を得たこともあり、ユニセックス・モデルとして展開されることに。したがって、例えばこれひとつを夫婦で愛用することも可能というわけです。
もちろん、大変高価なバッグです。ご予算の都合がつく方、ぜひ一生鞄としていかがでしょうか?

文:山田 純貴 写真:平野 多聞

左右両横マチのそれぞれに備え付けられているコードバン製のベルトをフックで留めると開口部が小さくなり、この写真で見るような台形の胴になる。女性が持つ際に、このスタイルはお薦めだ。

開口部のセンターストラップは時計ベルト由来のデザインで、素材にはバーガンディのコードバンを採用。切り目は丁寧に磨きが施され、非常に美しい仕上がりだ。美錠はステンレススチール製。

横マチはもちろんのこと、底マチにも惜しまずアリゲータを使用。また、普通、目には留まらない底鋲にブランド名のイニシャル「CF」のロゴを刻印し、控えめにブランドを主張してもいる。

CAMILLE FOURNET(カミーユ・フォルネ)

アイテム:トートバッグ
モデル名:DORIS(ドリス)
品番:201-13
外装:米ルイジアナ産ミシシッピアリゲーター(マット仕上げ)×日本製コードバン
内装:メインコンパートメント内=シープスキン、各インポケット内=シープスキン
収納部:メインコンパートメント1室(ジップポケット1室、オープンポケット2室、携帯電話ポケット1室、マチ付き小ポケット1室内蔵)
メタルパーツ:開口部ベルト用美錠=ステンレススチール製、ハンドル留め金具=真鍮製、底鋲=真鍮製 サイズ:W41×H46×D13.5cm
カラー:マットブラウン×バーガンディ(内装はパープル)のみ
製造国:フランス
付属品:コードバン製ケース付きキーリング
価格:210万円 ※今秋リリース予定

※同型でカーフ・タイプ(15万7500円〜)、パイソン・タイプ(39万9000円〜)もあり

お問合せ:
カミーユ・フォルネ ジャポン
TEL.03-3543-1212
http://www.cfjapon.co.jp