アクセサリー

09.01.13 UPDATE

年齢問わず使えるオファーマンの
軽量レザーブリーフケースに注目です

OFFERMANN(オファーマン)

ジャーマンバッグの最高峰ブランド、オファーマン。日本ではまだ馴染みの薄いブランドですが、その歴史は古く、創設は1842年。日本史では天保の改革の真っ最中ということになりますね。創業地はドイツ西部のベンスブルク(現ベルギッシュグラードバッハ)で、地図で探りますと、近くにはケルン大聖堂で知られるケルンやベートーベンの誕生地ボンなどがあり、中世から文化が大変栄え、近代においては同国内で最も産業が発達した地域です。そうした環境の中、ヤーコブ・オファーマン氏によってオファーマンは誕生したわけですが、実は当時は鞄メーカーではなく、タンナー(皮革製造会社)としてスタートしているのです。では、鞄づくりはというと、3代目マティアス・オファーマン氏によって1922年にスタートしているのですが、皮革の製造はそのまま継続されました。
それにしてもタンナーをルーツにする高級鞄メーカーは大変珍しく、世界的に見ても極めて特異であるといえるでしょう。靴ではアメリカのレッド・ウイングと、フランスのジェイエムウエストンがそれぞれ子会社にタンナーを抱えています(後者のタンナーは底材用皮革専業)が、いずれも買収によるもので、"タンナーがルーツ"というわけではありません。
まぁ、このような出自から、オファーマンは革に非常に熟知した鞄メーカーであることは確かです。現在では自社製の革のみならず、世界各国から集めたさまざまな革を駆使した鞄や革小物を展開していますが、ことに昨今では異なる2種類以上の革を外装に用いて、使い込むにしたがってそれぞれの革が異なる表情にエイジングしていく、そんな鞄のコレクションに注力しています。たとえば「ファーレン」シリーズでは繊細な手触りの高級スムースレザーに真性のワニ革であるコロンビア産カイマンクロコレザーを、また「リヒター」シリーズでは特殊な防水加工スムースレザーに同じく防水性のあるメッシュエンボスレザーなどを組み合わせる、といった具合です。
写真の「ブント」シリーズのブリーフケースにおいてもそれは同様で、本胴にキップスキンを、ハンドルなどにソフト仕上げのスムースレザーを採用。さらにハンドル下の胴線(フロントベルト)では、そのソフトスムースレザーをガラスレザーでトリミングするという凝りようです。ちなみにキップスキンとは生後6カ月から2年くらいまでの中牛(人間でいえば小学児童からローティーンあたりに相当?)の革のことで、カーフより厚みがあり、成牛革よりは軽く弾力性に富み、表面の傷などは少ないという特徴があります。で、「ブント」ではこの革にコシボ(細かいシボ)パターンを型押しし、さらにモミ加工を施してしなやかに仕上げた、クラス感ある革をメイン素材に使用しているのです。そして、あえてこれら3種類の素材を用いることで、シンプルなデザインながら表情豊かな佇まいとなり、しかも使い込むと各素材が異なる経年変化をするため、より深くエイジングが楽しめる、そんな鞄に仕上がっているわけです。
ちなみにコンパ−トメント開口部のジッパーもエレメント(務歯)個々に磨きをかける、いわゆるバラ務歯にすることでスライディングを滑らかにするとともに、高級感ある表情に。メインコンパートメントは大きく開口できるよう両端に長いジッパー延長部分を設けているのですが、未使用時はこれらがマグネットで横マチに密着。後胴のジップポケットではエレメントがスーツを傷めることがないよう、ジッパーの上に被るあおりを設けるなど、控えめながら、随所に使い勝手を考慮した工夫もなされています。
いっぽう、デザインはジャーマンブランドらしい風格ある佇まいで、型押しキップの素材感と相まって重厚な印象なのですが、実は手にしてみると、これが意外にも軽いのに驚かされます。にもかかわらず、型くずれせずしっかり自立してくれるのが嬉しいポイント。加えて、フレッシャーズから熟年層まで年齢を問わず使用できる絶妙なデザインも特筆すべき点でしょう。これなら末長く使い続けることができそうですし、その間に革のエイジングも堪能できるのですから、考え方によっては、これはとてもお値打ちな鞄ともいえるのではないでしょうか。なお、日本では今年からオファーマンのブランディングが本格化するとのことで、ブレイクも予想されています。となれば、こだわり派は今のうちに購入し、人気を先取りしておきたいところです。

文:山田 純貴 写真:平野 多聞

OFFERMANN(オファーマン)

アイテム:ジップオープンブリーフケース
シリーズ名:BUND(ブント)
品番:76163
外装メイン素材:エンボス加工キップ
外装サブ素材:スムースソフトレザー×ガラスレザー
内装素材:ポリエステル65%×コットン35%
収納部:メインコンパートメント1室(ジッパーで開口。オープンポケット3室内蔵)、ジップ式バックポケット1室(開口部に革製のあおり付き)
ハンドル取り付け金具:ニッケルメッキ仕上げ
ジッパー:バラ務歯仕上げ
その他:ボトムに底鋲装備
サイズ:W38×H28×D7cm
カラー:ブラック、ブラウンの2色展開
価格:8万9250円

お問合せ:
オファーマン丸の内店
TEL.03-5220-5900