アクセサリー

09.03.31 UPDATE

師匠譲りの超絶的な手技と圧倒的な作り込み!
新進バッグクリエイターによる総手縫いの逸品

CLEMATIS(クレマチス)

クレマチスは昨年11月、東京・銀座に工房兼直営店を開設した、フルオーダー&セミオーダーの靴、鞄、革小物のブランドです(革小物のみ既製品もあり)。主宰するのは靴職人の高野圭太郎氏と鞄職人の小松直幸氏。高野氏については本サイト昨年12/12付けの「クローズアップ」で既報しましたので、今回は小松氏とその作品を紹介します。
小松氏とは言葉を交すことはほとんどなかったのですが、数年前からお顔は存じていました。取材などで東京・渋谷の藤井鞄(本サイト'07年12/19付け「クローズアップ」で紹介) にお邪魔するたび、奥の工房で作業にいそしむ小松氏を目にしていたからです。藤井鞄といえば超絶的な手縫いの技術で極上の鞄を作る藤井幸弘氏の工房。筆者が世界一の鞄職人と信じる人物ですが、小松氏はその藤井氏のもとで8年間、技術を磨いた後に独立し、満を持してクレマチスを輿したのです。
'76年、札幌生まれの小松氏は服飾関連専門校を卒業後、某ブランドに勤務したものの、革製品作りへの興味断ちがたく退社。雑誌で知った藤井氏を訪ね、プライベートで作った鞄を品評してもらったことがきっかけで同氏に弟子入りしたのだそうです。
さて、その小松氏が総手縫いで作り上げた、このフレンチボックス製のブリーフケース。そのクオリティの高さに正直、圧倒されました。樹脂などの芯材は用いず、革を何層にも重ね合わせて仕立てたのであろうハンドルのほどよい堅さが手に心地がよく、蜜蝋を使った切り目の本磨きも誠に美しい。また、前・後胴に強く張りをもたせてあるため、自立するのみならず型崩れしにくく、しかも凛とした佇まいに見えるのも師匠の鞄と共通です。しかし師匠作と異なるのは、なんと錠前などのメタルパーツを小松氏自身が手作業で金属塊から削り出し、手磨きで仕上げている点です。元来バイク好きで、そのカスタマイズなどで手慣れていた金属加工の技術を活かしたとのことですが、錠前まで自作する鞄職人など聞いたことはなく、本当に驚きました。
師匠譲りの完全主義と卓越したハンドメイドの技術。そして、そこに若々しい感性を加味したのが小松氏の鞄といえるでしょうか。もちろん、小松氏が目指すべきは師匠を乗り超えることに違いありません。そしてすなわち、それは世界の頂点を目指すことなのです。

文:山田 純貴 写真:平野 多聞

流線が多用された個性的デザインのハンドル取り付け金具。こうしたメタルパーツのほとんどは小松氏自らが手作業で磨き上げて仕上げたものだ。さすがにメタルパーツまで自作する鞄職人は同氏をおいていない。

CLEMATIS(クレマチス)

アイテム:フラップオーバーブリーフケース
モデル名:BELLIS(ベリス)
素材:仏アノネイ社製ボックスカーフ、真鍮無垢(削り出し、鏡面仕上げ)
収納部:メインコンパートメント3室(うち1室内にマチ付きオープンポケット1室搭載)
サイズ:W42×H31.5×D10cm
カラー:定番色は写真のブラックのほか、ダークブラウン、ワイン、グリーンあり。他の色は応相談
備考:フルハンドメイド。受注生産(製作期間約3カ月)
価格:34万6500円(1室)〜

※「ベリス」は完全受注生産品となる(製作期間約3か月)。オーダーの際、メインコンパートメント数(1〜3室構造のいずれか)、皮革素材(仏アノネイ社製ボックスカーフ、ポーランド生産による独ワインハイマー社製エンボスカーフ、イタリア製タンニンなめしレザー、英国製ブライドルレザー、クロコダイル、リザードなど)、金属パーツ(素材は真鍮ムク、シルバー925のいずれか。デザインはフリー)などの選択が可能。
※価格は室数、皮革素材の種類、金属素材の種類(シルバー925の場合、アップチャージが税込み50,000円となる)ごとに異なる

お問合せ:
クレマチス 銀座
TEL.03-3563-8200(予約優先)
http://www.clematis-ginza.com