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09.06.23 UPDATE

極限の薄づくりを可能にしたファーロの長札入れこそは"真なる逸品"なのです!

FARO(ファーロ)

"薄づくり"とは、革小物を極限まで薄く仕立てること。ことに長札入れは厚みがあると上着の胸ポケットに入れた際、スーツのシルエットを乱しかねないだけに"薄さ"が重視されます。とはいえ、薄づくりは極めて難度の高い技術を要するため、全てのメーカーや工房がこれを駆使できるわけではありません。日本の革小物づくりの技術は世界随一であり、薄づくりに関しても得意とするところですが、とりわけファーロの製品には他社の追随を許さぬ、正真正銘の"究極の薄づくり"が実現されているのです。
ブリーフィングの企画やダニエル&ボブなどの輸入・卸などに取り組むセルツ(1965年創業)が「世界に誇れるメイド・イン・ジャパン」をテーマに展開するブランド、ファーロ。写真は、その代表作の水染めカーフの長札入れです。手触りソフトで、キメの細かさと独特のシボ感が特徴のこの国産カーフは水性染料で手染めされたのち、「舟」と呼ばれる伝統的な道具を用いて一枚ごとに手揉みされ仕上げられた希少素材。「手染め」「手揉み加工」のいずれにも作業に長い時間を要するため工業生産に向かず、現状、これができる職人はごく少数なのです。ファーロではこの上品な表情のカーフを0.4mm厚まで剥き、のりしろ部分には「なぞえ剥き」と呼ばれる剥きを入れてさらに薄身にしたうえで「ベタ貼り(革全面に糊を塗布して貼り合わせる手法のこと)」しており、その2枚貼りの状態で、なんと厚さ1mm以下という極限的薄さを実現しているのです。
しかもこのベタ貼りの技術が大変独創的です。2年以上を費やして開発した水性糊を、これまた独自の技法で革に塗布した後、数百万tもの圧力で機械圧着。これによって革の繊維内に浸透した糊同士がしっかりくっつき合うのです。しかもこの糊は乾燥すると、より接着力を高まるため、セルツによれば、現在にいたるまで、革がはがれたというクレームは一度もないのだとか! また、この貼り合わせによって革が傷むことはなく、波うちも発生せず、逆にコシが増し、しかし素材本来のしなやかさも犠牲にされないというのですから、これは本当に驚きです。
ちなみにファーロの"凄み"は、薄づくりのみにあるのではありません。革が薄いがゆえに困難なものとなる縫製ではミシンの音の調子をうかがいつつ、糸のテンションを微妙に調整しながらゆっくりと行い、切り目には独自開発の念ゴテで念引きすることで「玉念」と呼ばれる丸みのあるコバ(角張ったコバよりも品と味が出せる!)にし、そこに「本磨き」と呼ばれる日本伝統の仕上げを施すなどしているのです。「大切なことは、薄くても重厚に見えること」とは、これらの技術を開発した親方の言葉です。
さて、写真の長札入れですが、こちらはなんとジップ開閉式のコインポケット付き。にもかかわらず、スーツのシルエットに響かない極薄仕立てなのですから、これは本当に嬉しいではありませんか。もちろん末長く使えるうえ、使い込むほどにその素晴らしさをますます実感できること請け合い。これぞ真の革小物の逸品といえるのです!

文:山田 純貴 写真:新城 孝

何枚もの革を重ねてつくられるため、自ずと厚みが増すカード段だが、本品では極限まで剥いたカーフと独自のベタ貼り技法を駆使することで、その部分のコバを驚異の約2mm厚に仕上げてあるのだ。

フランスの某メゾンも使用するYKKの最高級ジッパー「エクセラ」を装備するコインポケットは、厚みを出さぬよう切りポケット式に。しかもコインの出し入れを容易にするため、一辺にのみ内マチが設けられている。

FARO(ファーロ)

アイテム:ジップコインポケット付き二つ折りロングウォレット
シリーズ名:FIN SERIES(フィンシリーズ)
商品名:束入れジップコイン カーフ
商品番号:FAR00033
外版素材:水染めカーフ(フルタンニンなめし、手揉み加工)
内造り素材:外版に同じ
ポケット内装:外版に同じ ※カードポケットはアンラインド仕様
収納部:札室2室、ジップ開閉式コインポケット1室、カードポケット6室
サイズ:W18.5×H9cm(閉装時)
カラー:ブラック、チョコの2色展開
製造国:日本
価格:3万1500円

お問合せ:
セルツ
TEL.03-3448-1330
http://www.sellts.com

※この情報は、2009年6月23日の情報です。