アクセサリー

09.07.14 UPDATE

盲目的な"手作り礼賛"に一石を投じる!
気鋭ショップが追求した眼鏡作りの理想形

decora(デコラ)

眼鏡店のオリジナルフレームといえば、いわゆる定番や売れ筋のデザインが一般的。前者の場合はTPOやユーザーを選ばないデザインに、後者はトレンドを手軽に楽しめるデザインに仕上げることが多い。そうした既成概念とは一線を画す意欲的なモノ作りで業界内の注目を集めているのが、気鋭のアイウエアセレクトショップ『decora(デコラ)』だ。
 彼らのモノ作りを象徴するフレームが、こちらの「トランスファー」。昨今の眼鏡業界における、手放しの"ハンドメイド礼賛"の風潮に一石を投ずる意欲作だ。まずはそのコンセプトを、ひも解いてみよう。昨今は"熟練職人による手作り"をアピールしたフレームを目にすることが多い。ところが、それらのフレームの中にはどこからどこまでが手作りなのかを明らかにしていないケースがある。また、眼鏡の基本構造をよくよく考えてみると、左右対称であるべきフレームを手作業だけで作り上げるのは至難の業。各部位の形状はもとより、テンプルやフロントの角度を左右で揃えなければフィッティングに悪影響を及ぼす可能性もある。そう考えると、全行程が手作りであったとしても、ハンドメイドとされるすべてのフレームを高品質と言い切るには、決め手にかけるのだ。
 デコラのスタッフは「トランスファー」を作るにあたって、こうした諸々の問題点を前提に高品質な眼鏡を作るための理想形を再定義した。彼らが達した結論はこうだ。高性能なマシンでフレームを基礎成型した上で、細部の仕上げをハンドメイドで行う、これに尽きるとういうわけだ。
 さて、こうした方法論で作られたフレームの仕上がりはどうかというと、これがマシンとハンド、双方の技術力の高さが光る出色の出来映え。注目すべきは、油圧式三次元成型法という高精度なマシンを用いて、ウエリントン型特有のフォルムに立体感を持たせた独特の表情。特殊な鋳型で圧力を加えることで、フレームの部位毎に厚みの強弱を付けられるこの製法の美点を生かすことで、プラスチック板を切削する既存の製法とは一線を画す立体感を生み出している。そして、ハンドフィニッシュによる仕上げにおいては、ピアノブラックというカラーのネーミングに偽りのない、美しい光沢と流麗なフォルムを堪能できる。

文:遠藤 匠(YUBUNSHA) 写真:笠井 修

デザインワークは、海外からもその手腕に注目が集まるYELLOWS PLUSの山岸稔明 氏に依頼。「外観は流麗なフォルムを持つウエリントン、機能面ではチタンパーツを用いた軽量かつ良好な装着感」というデコラのリクエストに見事に応え、"ハイテクニカル・ウエリントン"と呼ぶに相応しい新感覚のフレームが完成した。

製造は、福井県福井市の青山眼鏡が担当。油圧式三次元成型法は、貴金属のパーツを作る際、金属を溶かして複雑な形状に仕上げる"キャスト(鋳造)製法"に近い。そのため、通常の製法のように厚みを出す際に板を張り合わせる必要がなく、板の継ぎ目のない美しいフォルムに成型できる。

decora(デコラ)

アイテム:眼鏡フレーム
モデル名:Transfer(トランスファー) Piano Black
フロント素材:アセテート
テンプル素材:アセテート、チタニウム
製造国:日本
価格:2万5200円

お問合せ:
decora TOKYO(デコラ 東京)
TEL.03-3211-3201
http://www.glasses-co.jp

※この情報は、2009年7月14日の情報です。