アクセサリー

10.04.27 UPDATE

ベルルッティの新作キャンバスブリーフは
持ち運べる"抽象絵画"?

BERLUTI(ベルルッティ)

ベルルッティ(1895年、アレッサンドロ・ベルルッティ氏によりパリで創業)のアイテムには「"製品"というより"作品"に近い」印象があります。自社製品のアート性を謳うブランドは少なくありませんが、そのほとんどはインダストリアルデザインの範疇ではないかと筆者は思うのです(だから悪いということではありません。念のため)。しかしベルルッティの製品はそれらに比べ、明らかにより"アート作品"的なのです。
それはなぜかと考えるに、第一に、元来がスゥ・ムジュール(ビスポーク)のシューズブランドだという点が上げられます。一個人のための1足であるスゥ・ムジュールなら、より大胆なデザインが追求できるわけですが、とりわけベルルッティがこの方面で冒険的であり続けられるのは、やはり芸術の都パリという土地柄があるのだと思います。すなわち、顧客側に"アート的"であることへの柔軟な理解がある。たとえば、より伝統を重んじるロンドンでは、さすがにこうはいかないでしょう。
加えて、4代目当主にしてクリエイティブ・ディレクター、オルガ・ベルルッティ女史の存在が大きいのです。ビジネスに長けつつも、生まれながらの芸術家肌のオルガ女史あってこそのベルルッティだといって過言ではないほど、その才能は際立っています。まぁ、コレクションのコンセプトなどを聞くと、ときどきいまひとつ理解できなかったりしますが、それもきっと"アート"だからなのでしょう!
そのオルガ女史がフロリダ沖のリゾートアイランド、キーウエストへの旅をイメージし、「南国のエキゾチックなエレガンス」を表現したのが、今春リリースの「テラ・コレクション」です。「テラ(tela)」とはイタリア語でキャンバスのことで、この名のとおりの、これはベルルッティでは初のキャンバス使いのコレクション。靴のみならずバッグ、小物もラインナップされており、写真はそのうちの、フラップオーバーでありながら2ハンドルというデザインがユニークなブリーフケースです。メイン素材のキャンバスに施された濃淡ある黒は、なんとベルルッティの独創的なハンドフィニッシュである「パティーヌ」によるもの。通常、レザーに施すこの仕上げを、まるで油彩画のようにキャンバスに表現しているわけで、いわばこれは抽象絵画を身にまとったバッグなのです! また、サブ素材は定番の「ヴェネチア・レザー」ですが、前胴センターのベルトループや胴のコーナーガードなどには、その「ヴェネチア・レザー」に18世紀の古文書に見られる手書き文字が描かれた「カリグラフィ・オン・ヴェネチア」を使用。キャンバスのみならず、レザーも"アート的"なのです。
芸術は"贅沢"の中から生まれるといいます。ベルルッティはたしかにラグジュアリーなブランドですが、その製品を我が物にすることは、すなわち芸術を自らのライフスタイルに取り入れるということでもあるのです。このブリーフケースにしても高価ではあるけれど、実用品にして「作品」でもあるという、この付加価値あっての"贅沢"であれば大いに納得できるのです。

文:山田 純貴 写真:猪又 直之

BERLUTI(ベルルッティ)

アイテム:フラップオーバーブリーフケース
コレクション名:TELA(テラ)
外装素材:コットンキャンバス(パティーヌ仕上げ)×「ヴェネチア・レザー(一部「カリグラフィ・オン・ヴェネチア」)」
内装素材:コットン70%×ポリエステル30%混紡ジャガード織り(カリグラフィ織り込み)
メタルパーツ素材:真鍮古美仕上げ
サイズ:W39×H28×D13cm
カラー:ブラックキャンバス×ダークブラウンレザーのみ
価格:22万500円

お問合せ:
ベルルッティ・インフォメーション・デスク
TEL.0120-203-718
http://www.berluti.com
5月上旬よりリニューアルオープン予定

※この情報は、2010年4月27日(火)の情報です。