アクセサリー

10.06.30 UPDATE

神秘的な技法と素材を用いた個性的で美しいビジュアル
ペン・オブ・ザ・イヤーの新作2010年モデルが登場

GRAF VON FABER-CASTELL(グラフ フォン ファーバーカステル)

 ファーバーカステルが2003年から毎年、年間限定生産で発売しているペン・オブ・ザ・イヤーの2010年モデル「シークレット・オブ・アート万年筆」が発表されました。ペン・オブ・ザ・イヤーはこれまで「スネークウッド」「琥珀」「ガルーシャ」「マンモスアイボリー"エボニー」「ストーンウッド」「サテンウッド」そして「ホースヘア」と発売されていますが、いずれも希少かつ最高品質の素材を、専門のマイスターが巧みな技を駆使して製作してきました。今回は250年近い歴史に培われた伝統、そして永続する優れた価値観を表現するため、ファーバーカステルのアイデンティティーをこれまで以上に強く感じさせるコンセプトと素材を徹底的に追及しています。
 その象徴ともいえるのが、焼き入れ法によるメタルパーツと、そこに施された緻密な彫刻です。焼き入れ法とは、炭化させた皮で金属片を覆い、加熱と冷却を繰り返すことによって表面を堅い鋼鉄にする技法です。それにより、表面は堅く頑丈で耐久性に富み、芯の部分は衝撃の吸収性に優れたメタルパーツが作り出されます。そうした特徴を活かして、銃砲の柄の部分に用いられるようになりました。
 また、焼き入れ法は一連の工程を繰り返すことにより、加熱と冷却の微妙な温度や時間の違い、あるいは金属の厚さの違いなどにより、その表面に独特の色合いが現れて、美しいビジュアル効果を生み出します。微妙な色合いのニュアンスは経験を積んだ職人でも、その仕上がりを細密に予測することが不可能なため、2つとして同じ仕上がりのものはありません。
 そしてさらに、その表面には精巧な金の象眼細工が施されますが、この2つの古来からの伝統技法を継承している工房は非常に少なくなっています。シークレット・オブ・アート万年筆のメタルパーツには、焼き入れの工程の前に溝を彫り、後に24金を埋め込んで磨き上げていますが、文字どおり卓越した技術と精密さだけが最高の仕上がりを導きます。
 もうひとつの象徴的な素材が、美しいメタルパーツにこの上なくマッチする特別な素材として、胴軸に用いられているコーカサスウォールナットです。ウォールナット(胡桃材)には適度な重みと硬さ、そして粘りがあり、反ったり割れたりしないのが特徴です。高級家具材のほか、ライフルなどの銃床にも珍重されてきました。しかも、ウォールナットの最も美しいとされる木目は、地中奥深くに眠る根の部分にあり、根株を掘り起こすというさらなる手間と時間がかけられています。シークレット・オブ・アート万年筆では、個性的な木目を際立たせる鱗片模様が手彫りで施され、胴軸の美しさをいっそう強調しています。
 こうした熟練職人の技と素材への思い入れによって誕生したシークレット・オブ・アート万年筆は、実はこれまで発売されたペン・オブ・ザ・イヤーのなかでは、比較的求めやすい価格になっているのも魅力といえます。コレクションとして大切に扱うだけでなく、ちょっと高価な日用品として愛用してみるのも、ファーバーカステルへのリスペクトかもしれません。

文:有澤 隆 写真:猪又 直之

GRAF VON FABER-CASTELL(グラフ フォン ファーバーカステル)

シリーズ名:ペン・オブ・ザ・イヤー2010「シークレット・オブ・アート万年筆」
胴軸素材:コーカサスウォールナット、24K象眼細工を施した焼き入れ法によるメタルパーツ
エンドキャップ:プラチナプレート
ペン先:18K(バイカラーロジウムコーティング)
機構:コンバーター式
製造国:ドイツ
価格:24万1500円(2010年12月末日まで製造)

お問合せ:
DKSHジャパン
TEL.03-5441-4515

※この情報は、2010年6月30日(水)の情報です。