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FUJITAKA(フジタカ) アランチョ
最上級の豚革を使い、職人の卓越技術で仕立てた、これは老舗入魂の逸品です!

高い技術力とモノ作りに対する生真面目ともいえる姿勢。イケテイが作る鞄は、以前からしばしば目にする機会がありましたが、そんな職人の気質を同社のプライベートブランド「フジタカ」の製品と出会って認識したのです。
1941年、大阪で池田貞三氏により創業した鞄卸業の池田貞株式会社をルーツとする株式会社イケテイは、同年、早くも自社ブランドとしてフジタカ(富士鷹)を立ち上げています。後年、その展開は中断しますが、その間もイケテイは数々の名だたるブランドのライセンス商品などを次々と手掛け、また、1999年以降はアウトドアがテーマの自社ブランド「シルバーレイククラブ」も展開してきました。
そしてメイド・イン・ジャパンに対する再評価が高まっていた2009年、イケテイは自社の国内工場で培ってきた製鞄技術と、その工場に併設するデザイン部門の新しい感性に再注目し、自社生産にこだわり、高い品質を志向するブランドとしてフジタカを再興。必要とあらば国内タンナーなどと協業して素材を開発し、カラーには日本人の感性に適う渋色系を導入。収納に関しても日本人の多くが好む高機能を追求するなどし、ジャパンブランドとしてのアイデンティティを主張しているのです。

ところで、フジタカというと「コークス」や「トープ」、「ジャスパー」などセミカジュアルなシリーズが話題ですが、ここでは最もドレッシーな「アランチョ」のA4タイプを紹介したいと思います。

一見、ベーシックなブリーフケースですが、注目すべきは外装にピッグスキンが採用されている点です。ビジネス鞄にピッグスキンとは珍しく思えましょうが、実は堅牢で耐摩耗性に優れ、雨や汚れに強いなどの特性から、欧米では理想の鞄素材ともいわれています。しかも、本品に使われているのは多くのラグジュアリーブランドも採用する伊チベット社の最高級ピッグスキン。染料染めとプレス加工がもたらす美しい発色とクラス感ある光沢が、この鞄の佇まいを一層品あるものにしています。
もちろん、イケテイによる製鞄技術にも注目です。まず目がいくのは「モモ」と呼ばれる、ハンドル取り付け部の根革です。普通、胴の表側に縫い付けられることの多いパーツですが、本品では小窓状にくり貫いた胴の裏面から、肉盛りが施されたモモを縫い付けるという、珍しくも手の込んだ仕立てを採用。結果、ハンドル取り付け部が立体的、かつエレガントな見栄えになっています。また、各革の切り替えでは切り目を隠すため、ヘリを内側に3回折り込んだ後に縫い付ける「三つ巻き」と呼ばれる手法を導入。さらに、ハンドルや角革(胴のコーナーガードの革パーツ)に控えめな飾りステッチを施すなど各所にこだわりのディテールを取り入れ、技術の確かさをアピールしています。

こうした素材使いや手の込んだ技術の賜物なのでしょう、これは本当に美しい鞄です。レディメイドながらオーラさえ感じられるほどで、これはなかなかの傑作品と見ました。フジタカのコレクション中では高額ラインで、価格は6万円台。とはいえ、このクオリティに照らし合わせてみれば、これは十分お値打ちだと思うのです。

FUJITAKA(フジタカ) アランチョ 6万9300円
2ハンドルジップブリーフケース ビジネス A4三方開き、素材/外装伊TIBET(チベット)社製ピッグスキン、内装/サテン調高密度織りナイロン、ハードウェア/真鍮鏡面仕上げ、サイズ/W40×H29×D8cm、カラー/ブラック、キャメル(写真)、チョコ、ネイビーの4色展開、製造国/日本

問:イケテイ TEL.03-3861-6271(東京) TEL.06-6261-2194(大阪)
 http://www.iketei.co.jp http://www.fujitaka-japan.com
※この情報は、2011年6月29日の情報です。

 

文:山田 純貴 写真:猪又 直之