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老舗の革貼り扇子は、ひと扇ぎで涼しさ十分

紳士の夏の必須アイテムといえば扇子でしょう。柔らかな心地よい風を運んでくれるとともに、伝統美を感じる扇子は見ているだけでも大人の品格に溢れいいものです。
さて、扇子が生まれたのは平安時代の初め頃、当時のものは「檜扇(ひおうぎ)」と呼ばれ、長さ30cmもある木簡という細長く薄い経木状の板を綴り合わせたものでした。木簡とは現代の記録紙のようなもので、使用済みのものを再利用していたようです。その後女性用は扇面に絵が描かれるようになり発展していきました。その大きさからか、女性は手に開き持って顔を隠すのに使われたとか。なんとも雅で風情のある話です。

最近は地球温暖化の影響による酷暑やヒートアイランド現象で、若いビジネスマンにも人気の扇子ですが、ひと夏もてばいいくらいの安価な量産品も多く出回っています。そこで今回ご紹介したいのが宮脇賣扇庵(みやわきばいせんあん)の扇子です。宮脇賣扇庵は、文政6年(1823年)に京都に創業した老舗中の老舗です。屋号の“賣扇庵”は京都の文人画家として知られる富岡鉄齋が命名したそうで、現在は京都の本店と東京の銀座に店舗を構えています。
そんな伝統のある宮脇賣扇庵の扇子は、手触りや開き具合、重さ、使い勝手など、用と美が一体になった扇子作りが魅力です。厳選された竹や和紙を使って熟練した職人さんが丁寧に作り上げていきます。また、扇面の美しさにも定評があります。オリジナルの絵が用いられ、その多くが手描きで仕上げられています。

今回注目したのはそんな老舗が作った新感覚の「セルラーレザー」という扇子です。レザーの扇子と聞けば、伝統的な扇子愛好者から邪道扱いされそうですが、老舗の扇子作りの伝統を継承するものなのでそれとは一線を画しています。これは丈夫でしなやか子羊の革を貼り、和紙で裏打ちした珍しいものです。革を使用しているため扇の骨も太めのしっかりとした作りで、和紙を裏側から貼ることで綺麗に折りたためるという正統な作りです。すべて和紙の扇子に比べて多くの風を拾うことができるため涼しく、しかも丈夫です。ちゃんと扇子ケースに入れて持ち歩けば長く愛用できます。
大きさは男女兼用で使える5.5寸(16.5cm)。革の色も豊富に揃っていて、ブラック、オレンジ、クリーム、赤茶色の4色展開(展開色は毎年変わります)。また、ネックストラップを付けて首からぶら下げてもOK。シャツ一枚というシンプルなクールビズ・スタイルのポイントカラーとしても効果的です。女性ならハンドバッグに結んだりするのもいいでしょう。丁寧で正統な作りということもあり、けっして安くはありませんが何年も使うことを考えれば適正価格です。ぜひこの夏に手に入れてください。

宮脇賣扇庵(みやわきばいせんあん)

セルラーレザー
価格:1万500円

お問い合わせ:宮脇賣扇庵 TEL.03-5565-1528
※この情報は、2012年6月19日の情報です。
 

文:倉野 路凡 写真:吉岡 広和