メンズシューズ

07.09.07 UPDATE

パテントレザーのオールデンは
ちょっとノスタルジック&超新鮮!

 今季、メンズシューズはパテントレザーが旬である。
パテントレザーとは革の表面にウレタン系樹脂を塗布して皮膜を作り、耐久性や耐雨性、強い光沢感をもたせた、いわゆるエナメルレザーのこと。一説に日本の漆塗りをヒントに考案され、アメリカでパテントが取られたことから「パテントレザー」と呼ばれるようになったともいわれる。その艶やかな質感からオペラパンプスなどのパーティシューズに用いられることが多いが、じつはアメリカでは合成皮革が普及する1960年代頃までに、その丈夫さと耐雨性から軍靴やポストマンシューズなどのサービスシューズにも広く使用されていた。
  当然、アメリカントラッドシューズの代表たるオールデンも、かつてそうしたパテントレザーの製品を生産していたという。
  そして3年ほど前、そんな往年のエナメルシューズをイマ風にアレンジしたモデルをオールデンに別注したのが、正規ディストリビューターであるラコタの血脇孝昌社長とユナイテッドアローズのクリエイティブディレクター栗野宏文氏だった。血脇氏は日本でまだ、このブランドの存在が知られていなかった1971年に初渡米し、そのローファーを目の当たりにするなどオールデンの第一人者というべき人物で、いっぽう、栗野氏はビームスが1980年、日本で初めてオールデンを輸入・販売したときのキーパーソン(当時、栗野氏はビームスのスタッフだった)である。
  つまり、同ブランドに関する知識と愛情の深さで人後に落ちない、このオールデンのオーソリティたる両名がトレンドを先取りし、パテントレザーに注目。その素材を使った靴を同社に別注したわけなのだが、実は製品化には少々の時間を要している。というのも、足形に則したコンフォタブルだが複雑な形状の木型でラスティングし、グッドイヤーで堅牢にあつらうオールデンの場合、通常のパテントレザーではヒビが入り、ソフト感も損なわれてしまうのだ。そこで同社は素材探しからスタート。結果、トップグレードのカーフに樹脂をコーティングさせた良質なパテントレザーを仕入れることができたのだ。これならシワ目が細かいがゆえに、強くラスティングしてもヒビ割れを起こさず、ソフトに成型できるのだ。
  こうして昨秋、写真のタッセルローファーなど4型の"エナメルオールデン"がリリースされた。ちなみに1980年代のパリではリーバイス「501」に赤いソックス、そしてエナメルローファーといった着こなしがトレンドになった。そこで「昨今トレンドのアメリカンプレッピーなスタイルに、こうしたエナメルシューズを組み合わせて、ちょっとフレンチアイビー的洗練さを取り入れてみては?」というのが血脇氏らの提案だ。あるいは「クリスマスシーズンならフォーマルウェアに、素材はドレッシーだけれどデザインはややカジュアルなこのタッセルスリッポンを、あえてハズシとして組み合わせるのもいいでしょう」とも。いずれも上品で華ぎある足元をアピールできること請け合いである。
  なお、前述したように今回の"エナメルオールデン"は4型があり、うちラコタでは、このタッセルスリッポンとモディファイドラスト採用のVチップ、ミリタリーラストのプレーントゥダービーの3型を展開。いっぽう、栗野氏別注によるモディファイドラスト採用のプレーントゥは現在、「ディスクリクト ユナイテッドアローズ」にて販売されている。

文:山田 純貴 写真:綿屋 修一

ALDEN(オールデン)

アイテム:タッセルスリッポン
品番:881
製法:グッドイヤーウェルテッド
木型:アバディーン
ウィズ:D
アッパー:パテントレザー(エナメルレザー)
ライニング:キッドレザー(レッドカラー)
ソール:シングルレザー(カラス仕上げ)
その他:マシンによるモカ縫い
カラー:ブラックのみ
価格:7万5600円

お問い合わせ:

ラコタ TEL.03-3545-3322