メンズシューズ

08.04.26 UPDATE

英国靴の老舗が作ったツートンローファーは
旬なプレッピースタイルにも好マッチ

 英国における製靴の一大生産地であるノーサンプトンの現存する最古のシューメーカー、トリッカーズは1829年、靴職人ジョセフ・トリッカー氏によって創業。現在、同社のほとんどの製品にはグッドイヤー製法が採用されているが、この製法がチャールズ・グッドイヤーJr.氏によって実用化されたのは同社創業のちょうど半世紀後であることから、少なくとも創業当時のトリッカーズは完全な手縫い靴のメーカーだったことになる。また、トリッカーズでは手縫いの靴のことをベンチメイドとも呼んでいるが、このベンチメイドなる言葉は元来、職人がベンチに腰掛け、膝に靴を乗せて手縫いで製作したことに由来している。
ところで同社は現在、ロンドンのジャーミン・ストリートに直営店を構えている。ジョン ロブ、チャーチ、クロケット&ジョーンズ、フォスター&サン、ポールセンスコーン、ハケットとそうそうたる英国靴の名門ブランドの直営店が居並ぶこの通りに他社に先駆け出店したのも、実はトリッカーズなのだという。それは1919年(創業のちょうど90年後!)のことで、1939年(創業のちょうど110年後!)に現住所に移転している。そして、その直営店にはプリンス・オブ・ウェールズ、すなわちチャールズ皇太子の紋章が誇らしげに掲げられているのだが、実際、トリッカーズは同皇太子の御用達ブランドとしてハンティングブーツなどを献上している。ちなみに来年で創業180年を迎えるトリッカーズだが、なんと今なお、創業家による経営を堅持。まさに英国靴の名門と呼ぶに相応しい堂々たる老舗ブランドなのである。
 だが、そうした伝統主義のいっぽうで、トレンドに敏感な面もあるのがこのブランドの面白いところだ。例えば、ポール・スミスなどのデザイナーズブランドとのコラボレーションに取り組み、あるいはイタリアのファクトリーに外注し、こじゃれたレザースニーカーを展開、といった具合に、その折々でファッションシーンに欠かせぬシューズブランドであることを巧みにアピールしているのである。
 トレーディングポストでは、いち早くファッションの動向を汲み取り今季バイカラーのローファーをオーダーしている。まさに昨今のプレッピーファッションに適ったモデルとして大活躍してくれる。
 トリッカーズというと英国でハンティング用などとして履かれてきた伝統的なカントリーシューズを今に伝える「カントリー コレクション」のブローグブーツなどがあまりに有名だが、実は「デューク コレクション」などのドレス系も多数展開している。そして、このローファーは「ジャーミン ストリート コレクション」にカテゴライズされる1モデルで、昨今の捨て寸長めのスリッポンに馴れた目にはサドルストラップからトゥに至るヴァンプが短い、昔ながらややボッテリとしたフォルムとなっている。とはいえ、アメカジが回帰している昨今の着こなしには、むしろこうした伝統なプロポーションのほうが足元にほどよいボリューム感が出ることから、よりマッチするはずだ。
 ちなみに、このローファーはブラックとブラウンの2色で展開されてきた定番モデルなのだが、この春夏、トレーディングポストが別注したことで、このネイビー×ホワイトのバリエーションが追加された。今季のキーカラーであるこの2色をコンビにしたことでグッとカジュアル感が増し、清涼感あるルックスに。これなら、例えば旬なホワイトのショーツに素足履き、といった休日のリラックススタイルにも無理なくハマり、しかも品よく足元を演出してくれるだろう。もちろんグッドイヤーだから履き込めば足に心地よく馴染み、末長く愛用できるのも嬉しいポイントだ。カントリーブーツも魅力的だけれど、今季はこんなマリン顔のトリッカーズにも親しんでみたいものだ。

文:山田 純貴 写真:綿屋 修一

TRICKER'S(トリッカーズ)

アイテム:ペニーローファー
コレクション名:JERMYN STREET(ジャーミン ストリート)
モデル番号:M6579
木型番号:5567
製法:グッドイヤーウェルテッド
アッパー:ブラック(ボックスカーフ製)、ブラウン(アンティークカーフ製)、ネイビー×ホワイト(トレーディングポスト別注カラー。アニリンカーフ製)
ソール:シングルレザーソール(オープントラック仕様)
カラー:3色展開 ※上記「アッパー」の項参照
その他:モカは合わせモカ・タイプ。サドルはスキャッグウェイ・タイプ
価格:6万8250円

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トレーディングポスト銀座店
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