メンズシューズ

08.09.05 UPDATE

意外性のある異素材使い&ガンチーニが
大人の足元に華やぎと品格をもたらします

レディスシューズでその歴史をスタートさせたブランドだからでしょうか、サルヴァトーレ フェラガモのメンズシューズには独特の色気と華やぎが感じられます。しかも最近でこそ、そうした色気靴は他にも見受けられますが、筆者が靴の原稿を盛んに書き始めた15、16年前を振り返りますと、その種のメンズシューズはフェラガモが唯一でした。
ところで、フェラガモのメンズシューズというと、まず、スリッポンを第一に思い浮かべてしまうのは筆者だけでしょうか。それも、甲に「ガンチーニ」と呼ばれる飾りのあるスリッポンです。
モノを掛ける際に使用されていたフックや錠前を意味する「ガンチーノ(イタリア語)」に由来するというガンチーニは、1970年代にフェラガモのハンドバッグのフラップを留める金具として最初に登場しました。その後、さまざまなレザーアイテムなどにデザインとして取り入れられ、やがてブランドを象徴するオーナメントへと変化していきました。ことにメンズシューズにおいてはスリッポンにおける重要な装飾として、世の洒落者たちの間にフェラガモの靴を印象づける大役を果たしたものと思われます。
ところで通常、スリッポンの甲に使われているガンチーニは一対のフックがシンメトリカルに直接連結したデザインになっていますが、この秋冬コレクションで登場した「アミコ5」では2つのガンチーニ・オーナメントがスエードのベルトによってつながるというユニークなデザインです。繊細な濃淡を表す起毛が美しい上質のスエードからなるアッパーの、その甲をまたいで、ちょうどローファーのサドルストラップのようにアリゲーターレザーが1枚添えられ、そこにそのスエード使いのガンチーニが乗るというデザインはなんとも個性的で、しかも色気たっぷりなのです。しかも、こうした異素材のコンビネーションは創業者サルヴァトーレ・フェラガモ氏も盛んに採用していたそうで、つまりはこのブランドの伝統的なスタイルでもあるのです。
ちなみに、木型はほどよい捨て寸のスクエアトゥで、トップホール(履き口)の幅がタイトに絞り込まれたスタイリッシュなフォルム。そのアッパーとソールは特殊なプレスを用いて接合されています。また、フルレザーライニングのインテリアを見れば、インソックライナー(中敷き)はつま先まで伸びたロング・タイプで、これは素足履きした際の足への快適性を考慮したものと思われます。しかも、内蔵されたフットベッドが自然なクッション効果を生み、これがソフトなスエードのアッパーとあいまって足によく馴染み、コンフォタブルな履き心地をもたらすのです。
この「アミコ5」は、ガンチーニのモチーフや異素材を組み合わせた上質な素材使い、軽快な履き心地などコンフォートへのこだわりなど、いかにもフェラガモらしいエッセンスが集約された色気靴といえるでしょう。昨今、スリッポンが非常に人気ですが、例えばきれいめで品のある休日スタイルにこの靴を組み合わせれば、エレガントな大人のコーディネートが完成します。「ちょっと色っぽすぎるのでは?」と感じられる方もいらっしゃるでしょうが、シンプルな着こなしと組み合わせれば品を失することなく、個性的な足元を演出できますよ。

文:山田 純貴 写真:平野 多聞

光の角度により、起毛の濃淡が変化するスエードの繊細な風合いが美しい。捨て寸がやや長く、甲薄で、ソールも薄いため、反(かえ)りがよく、素足履きでも足に吸いつくような感覚が得られる。

(写真左)小ぶりのヒールカップは、概して骨格が華奢で踵(かかと)が小さい日本人の足にも快適にフィットする。(写真右)本底を見れば、ラバーのトップリフトにもガンチーニのモチーフが!

SALVATORE FERRAGAMO(サルヴァトーレ フェラガモ)

アイテム:ビットスリッポンシューズ
モデル名:AMICO 5(アミコ5)
シリーズ名:AMICO(アミコ)
製法:セメンテッド
アッパー:カーフスエード×アリゲーターレザー
ライニング:フルレザーライニング
ソール:シングルレザーソール
カラー:ブラック、チョコレートブラウン、バーガンディの3色展開
価格:8万9250円

お問い合わせ:

フェラガモ・ジャパン
TEL.0120-202-270
http://www.ferragamo.com/