メンズシューズ

08.11.27 UPDATE

"黒スト"の購入をお考えなら、この「オードリー」が最右翼です!

CROCKETT & JONES(クロケット&ジョーンズ)

このところの不況で、高級ブランド品の販売が伸び悩んでいると聞きます。それは高級紳士靴も例外ではないのですが、そんななかでクロケット&ジョーンズが売り上げを伸ばしていると知り、ちょっと驚いてしまいました。しかも、ある情報によれば、高級紳士靴ブランドの製品の中で、もっか最も売れているのもこのブランドだというのです! 筆者には"実力があって、製品クォリティが高いにもかかわらず、長らく過小評価されてきたブランド"との印象があるのですが、上級モデルのコレクション「ハンドグレードライン」が投入されて以来、次第にそうした評価は払拭され、それとともに人気が高まってきたのでしょう。また、伝統的な英国靴のスタイルを堅持しつつ、そこにモダンで洗練されたトレンド感を控えめに加味するという、そのバランス感のよさに魅せられたり、生真面目とさえいえる誠実なモノづくりの姿勢に共感する、そんな人々が増えているということもあるのでしょうか? あるいは、ヨーロッパの高級靴というと10万円越えが珍しくない現在、この製品クォリティで平均8万円前後という価格にお得感があるということも人気の理由なのかもしれません。
さて、そんな注目ブランドの製品から、今回は「ハンドグレードライン」の定番キャップトゥオックス「オードリー」を紹介します。
メダリオンやパーフォレーションなどの穴飾りやピンキング(ギザ飾り)といった飾りをもたないシンプルな内羽根式のストレートチップは、一般に「キャップトゥオックスフォード」といいます(日本の靴業界では「一文字」などとも呼ばれますが)。また、いくつかの雑誌では、そのキャップトゥオックスの黒は「黒スト(黒のストレートチップのこと)」などと呼んだりもしています。で、この黒ストは英国靴を象徴するトラディショナルデザインであるのみならず、さまざまなスーツにマッチし、冠婚葬祭にも違和感なく履くことができる、いわゆるベーシックシューズでもあるのです。そのためなのでしょう、紳士靴のブランドでは軒並み、この黒ストが最も売れ筋だったりするわけですが、それはクロケット&ジョーンズでも例外ではありません。すなわち「ハンドグレードライン」のなかでもっか一番人気なのが、この「オードリー」であるわけですね。
ところで筆者は、最初にこの靴を見たとき、非常に強い印象をもちました。パターンはたしかにベーシックなのですが、木型に品があって美しい。そう感じたのです。当時はロングノーズ全盛の時代で、しかもシャープで直線的なチゼルトゥがトレンドでした。そんななか、「オードリー」に採用されている木型「337」は捨て寸ほどほどのオーセンティックなエッグトゥなのです。今となってはズバリ、最旬のトゥシェイプなのですが、エキセントリックな木型も珍しくなかった当時としては、ちょっと保守的なイメージなのです。にもかかわらず、全体のシルエットはスラッとスマートで品が感じられる。トラッドだけど古臭さを感じさせないモダンな印象があって、そのあんばいがとても新鮮に感じられたのです。ちなみに、この「337」は「パリラスト」と通称されているとおり、クロケット&ジョーンズのパリ店によって開発された木型です。トラッドなのにどこか洗練さを感じるのは、イギリスの伝統とフランスの感性とのミクスチャーだからなのかもしれません。
なお、現在、「ハンドグレードライン」の主力ラストと位置づけられているこの木型には、実は甲が高めで、ヒールカップが小ぶりという特徴も。しかも、見た目以上にウィズがあるので、概して甲高幅広で、踵(かかと)が小さい日本人の足にフィットしやすい、というメリットもあるようです。
もちろん「オードリー」人気の理由は、木型が全てではありません。吊り込みも仕立てや仕上げも大変丁寧で美しく、それはある種のオーラが感じられるほどなのです。しかも本底に採用されているのは、約1年半もの期間、オークチップや塩、水などに漬け込まれてなめされた成牛革のヨーロッパ産オークバーク。いくつかの高級ブランド靴にのみ採用されている高価で、大変希少なこの革は堅牢であるのみならず、歩行時には快適な反(かえ)りをもらしてくれるのです。
と、この靴については語りたいことがまだまだあるのですが、話が長くなってしまったので、今回はこのへんでまとめに・・・・。
近頃、財布の紐がかたくしている靴好きやお洒落好きの方。こんなときの買い物は堅実にいきたいものですね。買ったあとで後悔、なんてことになったら、これは結構ツラいものです。でも、コストパフォーマンスに優れたクロケット&ジョーンズなら、ハズしなしの買い物ができるはずです。まして、この「オードリー」は汎用性の高い黒スト。さまざまなスタイルに合いますし、あらゆるビジネスシーンで履きこなせる実用靴ですから、きっと投資した以上の活躍をしてくれることは間違いありません!

文:山田 純貴 写真:平野 多聞

控えめな膨らみをもったエッグトゥは英国靴伝統のシルエット。セミロングノーズのスマートな木型だが、甲はやや高く、全体に丸みが強調されているためかシャープに見えすぎず、そのバランスがなかなか絶妙だ。

トゥはラウンドシェイプだが、それを囲むコバがスクエアゆえにセミスクエアトゥの印象がある。インテリアは粋な黒革総張りで、中底の傷みを抑えるフルソックシートの採用により、足入れもなめらかだ。

CROCKETT & JONES(クロケット&ジョーンズ)

アイテム:キャップトゥオックスフォードシューズ
ライン名:HANDGRADE(ハンドグレードライン)
モデル名:AUDLEY(オードリー)
モデル番号:9447
木型番号:337(通称「パリラスト」)
ウィズ:E
製法:グッドイヤーウェルテッド
アッパー:カーフ
ライニング:フルレザーライニング仕様、フルソックシート使用
ソール:シングルレザーソール(ヒドゥンチャネル仕立て、半カラス仕上げ。本底はヨーロッパ産オークバークレザー製)
製造国:イギリス
価格:8万4000円

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