メンズシューズ

08.12.19 UPDATE

セネの最新作は赤と黒のコントラストがなんとも粋です

GÉRARD SENÉ(ジェラール・セネ)

クラシックをベースに、そこにモダンなエッセンスを取り込んだコンテンポラリーな靴やクロージングを展開するジェラール・セネは、パリ随一の伊達男にしてファッションリーダーでもあるシューマスター、ジェラール・セネ氏が1992年に立ち上げたラグジュアリーなメンズブランドです。ことに靴のコレクションでは、古き佳き時代に作られたビスポークシューズのデザインやディテールを身にまとったレディメイドを展開。エレガントで、ちょっとエキセントリックな印象のそれらは、一見モードシューズのようですが、その佇まいには繊細さと気高さが感じられます。しかも、木型にはいずれも「ピエ・トゥールナン(仏語で「インゲン豆」の意)」と呼ばれる内ひねりのフォルムを採用。歩行の癖や悪習慣、あるいは疲労などにより、人は気づかないうちに外側に重心をかけて歩いてしまいがちなのですが、実はそれが歩きにくさや、さらなる疲労を招くのです。しかし、セネが開発した木型は人の足形に忠実な内しぼりの形状であると同時に、アッパーの甲などが足全体を内側に押し込むことで、歩行時、かかとからつま先へと移動する体重の重心が絶えず内側にかかる構造なのです。著しく細身に見えるため、履き心地が犠牲にされているようにも思えますが、実際には大変優れたコンフォートシューズなのです。
さて、そのセネにこのほど、新しいコレクションが加わりました。その名は「レッドライン」。写真はその1モデルで、ワンピースのホールカット・モデルなのですが、ご覧のとおり、ライニングや靴底などに鮮やかなレッドカラーが取り入れられており、それゆえにこのライン名がつけられたようです。
アッパーには風合い繊細なイタリアンカーフを採用。本底は接地部分がゴム張りのハーフラバーソールで、しかも細く絞られたウエストもレッドに染色されているのです。ちなみにソールは薄めで、トップキウゾ(コバの張り出しを限界まで削り込んだ仕上げのこと)でもあるため、ソールの存在がセネらしいアッパーの優雅なシルエットに響いていないのも好ポイントといえましょう。また、木型はこのブランドらしいロングノーズのスクエアトゥで、サイドウォールが垂直に屹立したシャープなフォルム。聞けば、従来からの「ファーストコレクション」の定番木型をベースにした新木型が採用されているそうで、したがって内振りのコンフォートシェイプも健在です。ちなみに製法はマッケイで、それゆえか手に持つと、見た目に反してかなり軽量なので驚きます。
さて、「レッドコレクション」は現状、このモデルをはじめとする全6型で構成されており、ブーツを含み全てがアンダー10万円で展開されています(消費税を除いた場合)。十数万円する「ファーストコレクション」のモデルに比べるとお値打ち感が強く、実際、セネのエントリーコレクションという位置づけもなされているようです。とはいえ、セネらしさは既存モデルと同様。これまで、興味はあるけれど、高価ゆえに手が出しにくかったという靴好きにお薦めなのはもちろんのこと、すでにセネの靴をお持ちの方には、デイリーで躊躇なく履くことのできる"マイ・セカンドシューズ"としていかがでしょうか?

文:山田 純貴 写真:平野 多聞

採用されている木型「FB2」は上位ラインである「ファーストコレクション」の定番木型「F31」をベースにしたもの。大変細身に見えるが、「F31」由来のコンフォタブルな履き心地は、この木型でも健在だ。

(写真左)「レッドライン」の名のとおり、インテリアは赤一色。アッパーの黒と調和し、実に粋に見える。(写真右)本底も黒×赤のバイカラーだ。しかもラバー×レザーのコンビソールで、トップリフトも半化粧に。

バックステイに縫合された赤いハート型のレザーチップは「レッドライン」の赤から連想させたモチーフであり、また「ハート=心」であることから、セネの顧客への奉仕の精神を表現したものでもあるのだとか。

GÉRARD SENÉ(ジェラール・セネ)

アイテム:ワンピース・ホールカットシューズ
ライン名RED LINE(レッドライン)
モデル番号:GS13
木型:FB2
製法:マッケイ
アッパー:イタリアンカーフ
ソール:ハーフラバーソール(トップキウゾ仕様)
カラー:ブラックのみ
価格:9万4500円

お問い合わせ:

ジー・エム・ティー
TEL.03-5453-0033
http://www.gerard-sene.com