メンズシューズ

09.01.30 UPDATE

アメリカントラッドの名門×仏靴の老舗が
作り上げた美しき極上コードバンブーツ

BROOKS BROTHERS×PARABOOT(ブルックス ブラザーズ×パラブーツ)

筆者のような50歳以上の男性にとり、ブルックス ブラザーズは永遠の憧れブランドです。日本における男性ファッションのトレンドはアメリカントラッドから始まったわけですが、その'60年代から'70年代にいたる時代、同ブランドの製品は手の届かない、という以上に、めったに目の当たりにできない伝説的存在だったのです。その刷り込みがあるからでしょうか、1979年にブルックス ブラザーズ ジャパンが設立され、同年に青山本店がオープンしてからも、"あの時代"を体験した世代にとり、ブルックス ブラザーズは特別なブランドであり続けているのです。
と、ここで筆者のような思い入れをおもちでない方々に向け、このブランドについてのおさらを・・・・。
ブルックス ブラザーズの歴史は1818年、ヘンリー・サンズ・ブルックス氏がニューヨークにトラッドスタイルの紳士・婦人服専門店「H. & D. H. Brooks & Co.」を開いたときに始まりました。のちに同氏の4人の息子たちに引き継がれ、1850年に現在の「Brooks Brothers」に改称されています。それにしても、1818年を年号に直すと文政1年。明治維新のちょうど半世紀前ということになるわけで、大変歴史のある名門ブランドであることがわかります。しかも、リンカーンをはじめ歴代のアメリカ大統領の愛顧を得たり、ポロカラーシャツ(一般にボタンダウンシャツと呼ばれていますが)やT型と呼ばれるボックスシルエットのスーツなどを創始したりするなど、アメリカンファッションに多大な功績を残してきました。「アメリカントラッドの原点」と呼ばれるのが、これはもう決して大げさではないほどの偉大な存在なのです。
ところで、そのブルックス ブラザーズの靴というとオールデンのダブルネームが有名ですが、今回、ご紹介するのは、なんとフランス靴の代表ブランド、パラブーツとのダブルネームです! 昨今のアメリカンファッションの回帰により、改めて人気の高まっているブルックス ブラザーズと、昨年(2008年)、ちょうど100年目の歴史を刻んだことで再ブレイク中のパラブーツの、これは実にタイムリーなコラボレーションといえるでしょう。ちなみに、この両者がタッグを組んだのはこれが初めてとのこと。そういう意味でも、注目度の高いアイテムです。
で、今回は全3型が展開されているのですが、なかでもイチオシしたいのがアッパーに米ホーウィン社のシェルコードバンを採用したブーツです。この革はもういうまでもありませんが、オールデンの定番素材。もちろんブルックス ブラザーズ×オールデンにも、この魅力的な素材を採用したモデルが存在します(といいますか、かつてコードバンシューズもオールデンもブルックス ブラザーズの靴として日本に紹介されたのです!)。しかもこのコードバンという素材、実はかつてはアメリカントラッドシューズの定番素材でもありました。だからこそ、アメリカントラッドの正統であるブルックス ブラザーズも長年にわたり、オールデン社製のコードバン靴を展開し続けてきたのに違いありません。
いっぽう、パラブーツですが、シェルコードバンのモデルはこれが初ではありません。とはいえレギュラーのコレクションにはなく、したがってこのブーツは非常に珍しい存在といえるのです。しかも使われている革を見ますと、シェルコードバンらしい艶やかさとムラ感があり、大変美しいのです。この素材にもランクはあるわけですが、本品に使われているシェルコードバンはきっとトップグレードなのでしょう。
木型はパラブーツらしい、ややボリューム感あるフォルムで、製法もお馴染のノルヴェイジャン製法。コバに沿って縫い付けられたストームウェルトもまた、パラブーツのお約束的ディテールです。また、底材には同ブランドのオリジナルのうち、最も薄く、エレガントな表情の「アクティブソール」を採用。つま先部分は硬く、屈曲部は柔らかいという、耐久性と履き心地のよさを兼ね備えたドレスモデル向けのソールです。ちなみにこのソールにはヒールリフトがオールラバーの「アクテックソール」と、リフトの中間層がレザーの「アクテムソール」の2タイプがあるのですが、本品ではよりドレッシーな後者が採用されています。
つまり、このブーツはパラブーツらしいアウトドア仕様をベースにしながらも、街履きに対応したドレッシーなブーツというわけです。しかもフレンチブランドによるフランス製ではあるものの、その佇まいにはアメリカのマウンテンブーツやワークブーツに通じる雰囲気があって、ブルックス ブラザーズの店内に置かれていても全く違和感がありません。当然、コーディネイトにおいてもアメリカンカジュアルのきれいめスタイルに絶妙マッチ。男らしい、しかし品のある足元を演出してくれること請け合いなのです。
なお、靴中のインソックライナー(中敷き)には両ブランドのブランドロゴがしっかりプリントされていて、これもまた嬉しいポイントといえるでしょう。

文:山田 純貴 写真:笠井 修

パラブーツらしいボリューミーな木型だが、筒部分がやや後方に傾斜しているためスポーティに見える。ノルヴェイジャンステッチが縫い付けられたウェルトは、雨などの靴中への浸入を防ぐストームウェルトだ。

(写真左)小ぶりのトップホールが足首をしっかりホールドする。(写真右)パラブーツのドレス向けソール「アクティブソール」のうち、ヒールリフトの中間層に革が使われた「アクティムソール」を採用している。

BROOKS BROTHERS×PARABOOT(ブルックス ブラザーズ×パラブーツ)

アイテム:レースアップブーツ
品名:コードバン キャップトゥ レースアップブーツ
製法:ノルヴェイジャン(オールアラウンドアウトステッチ仕様、ストームウェルト付き)
アッパー:米ホーウィン社製シェルコードバン
ソール:パラブーツオリジナル「ACTEM(アクテム)ソール」(オープントラック仕様)
サイズ:アメリカンサイズ7〜8 1/2(25〜26.5cm相当)
カラー:バーガンディのみ
価格:13万6500円

お問い合わせ:

ブルックス ブラザーズ ジャパン
TEL.03-3403-4990
http://brooksbrothers.com