メンズシューズ

09.05.15 UPDATE

人気の理由は「絶妙なデザイン」「誠実な仕立て&仕上げ」、
そして「極上の履き心地」

REIKO TSUKUI(津久井玲子)

今回、このコーナーで写真の靴を紹介するにあたり、津久井玲子さんについていろいろ調べたところ、彼女が作る靴について「履き心地がすごくいい」「長時間履いても疲れない」といったユーザーの声が多いことを知りました。津久井さんの人となりは本サイト「竹井圭のshoe人十色」の第9回に詳しいので、ぜひそちらをご覧いただきたいのですが、その竹川さんに仲介していただき、電話越しではありましたが、津久井さんにお話をうかがうことができました。
筆者が最初に質問したのは、木型やフィッティングに対する考え方について。なにせ履き心地を絶賛する声の多いことを知れば、これが気になって仕方ありません。
「靴の中で足がブレないようにと心掛けています」と津久井さん。重視しているのは踵(かかと)と踏まずで、たとえばウィズEの靴では、踵のホールド感を高めるべくヒールカップをDにするといった工夫もしているそうです。日本人は概して踵が小さいので、インポートの靴などは歩行時に踵浮きするケースが少なくありませんが、津久井さんの靴ならその心配は無用のようです。また、機械によらず、1足ごとに手作業で吊り込むことで内踏まずのアーチをグッと絞り上げてあるのも、彼女の靴の大きな特徴。「左右からくるまれているような感じ」というユーザーの感想はもっともなのです。
ところで、デザインについてはどうでしょう。「私はデザイナーではなく、あくまで職人。ですから手を動かしながら、その折々で感じたものをデザインにしているだけです」と津久井さんは謙遜するのですが、なかなかどうして、この写真の靴なども実に個性的で秀逸なデザインです。サイドレースなのに外羽根というのは珍しく、また、アイレットに通したシューストリングがスラント状になるのもスマートです。そしてなにより、トゥキャップにあるはずのメダリオンが羽根のインサイドに施されているのが印象的で、遊び心さえ感じられます。しかも全体のバランスがいいといいますか、非常に調和のとれた完成度の高いデザインであるといえましょう。
ところで「まじめに、誠実に」が津久井さんの靴づくりのモットーであるとか。電話越しにも、そんな人柄が実感できましたし、なにより津久井さんの誠実さを靴それ自体が物語っているように思うのです。目に見える部分にも、そうではない部分にも手を抜くことなく妥協せず、生真面目に正直作られているからこそ、見た目に美しく、履いて心地よい極上の靴に仕上がっているわけなのです。

文:山田 純貴 写真:新城 孝

REIKO TSUKUI(津久井玲子)

アイテム:ストレートチップ・サイドレースダービーシューズ
モデル番号:PJ-002
製法:ハンドソーンウェルテッド製法による九分仕立て
アッパー:仏デュプイ社製カーフ
ソール:オールアラウンドステッチ(ヒドゥンチャネル仕立て、カラス仕上げ)
カラー:ブラックのみ
製造国:日本
備考:伊勢丹新宿店メンズ館別注モデル
価格:9万7650円

お問い合わせ:

伊勢丹新宿店
TEL.03-3352-1111
http://www.isetan.co.jp

※この情報は、2009年5月15日の情報です。