メンズシューズ

09.07.24 UPDATE

英国調にエレガンスを控えめ加味した日本別注の"スマート・サージェント"

ALFRED SARGENT(アルフレッド・サージェント)

アルフレッド・サージェント(現経営者の曾祖父にあたるアルフレッド・サージェント氏により1899年設立。1915年、現本拠地ノーサンプトンシャー州ラシュデンに移転)といえばラルフ ローレン、ポール・スミスといった有名ファッションブランドや、ヘンリー・マックスウェル、ニュー&リングウッドなどの名門シューブランドの製品を手掛けるいっぽう、高い品質を堅持しつつもこなれた価格のオリジナルを展開する英国靴の老舗です。ここ日本でもさまざまなセレクトショップが別注をかけるなどし、多くのファンが存在します。
今回ご紹介するのは、そのサージェントの最新作です。ご覧のとおり、デザインはオーソドックスなのですが、注目すべきは木型。そのトゥは真上からでは英国調のラウンドタイプながら、横から見るとエッグトゥにチゼルトゥをミックスさせたかのような独特のシルエットです。しかもトゥボックスは低く、左右のウォールは丸壁ながら屹立しており、全体の印象はフランス靴かイタリア靴のようにエレガント。サージェントの従来からのイメージとはやや異なる、より洗練されたルックスに仕上がっています。
では、なぜこの"カタチ"なのでしょうか? じつはこの「105EE」は伊勢丹新宿店のニーズに適うよう開発されたものなのです。昨今、トレンド的にはボリューミーなラウンドトゥが話題ですが、同店ではややシャープでエレガントな靴を好む顧客が多いことから、英国調をベースにしつつも、そこにユーロ的洗練さを加味した、この木型が出来上がったという次第。しかもよく見ますと、これが内ひねり&内振りの形状で、レースステイがかなり内寄りに。甲はアウトサイドが低く抑えられ、内踏まずも絞られて、既製靴ながらコンフォートという面でも配慮されていることがわかります。
ちなみにアッパーの「テンポカーフ」(樹脂塗料を薄くコーティングすることで品のよい光沢を表した高級カーフ)はイタリア製ですが、レザーソールにはブリストルにある大手ソールタンナー、トーマス・ウェア&Co.の革を使用。同型でラバーソール・バージョンもあるのですが、それにはダイナイトのスタッドソール(英国生産)を使うなど、製靴において100%英国生産を貫いているのみならず、こうした素材やパーツまで、可能な限り英国製を採用している点がまた嬉しいのです。
価格は良心的なアンダー5万円。筆者もかつて英国靴の最初の1足にサージェントを選んだものですが、このモデルもまた本格グッドイヤーのエントリーシューズに相応しいお値打ち靴といえるのではないでしょうか。もちろん、高級靴を履き慣れている方々にも、ひと味違う英国靴としてお薦めしたいと思います。 なお、今年に入って、アルフレッド・サージェント社が存続の危機にあるとの噂が流布しました。詳細はわかりませんが、少なくとも昨年暮れに短期間ながら工場が閉鎖されたのは確かのようです。しかし、他の資本下に一時置かれたものの、すぐに資産は買い戻され、現在は再びサージェント家による経営に戻っているとか。英国靴の聖地ノーサンプトンの現存シューメーカーは多くなく、同社に限らず1社1社が貴重な存在ですし、ましてサージェント社は純然たる英国製を貫く気骨あるメーカーです。ぜひこれからも頑張って英国靴の伝統を堅持して欲しいものです。

文:山田 純貴 写真:新城 孝

ALFRED SARGENT(アルフレッド・サージェント)

アイテム:キャップトゥオックスフォードシューズ
モデル名:COLE(コール)
モデル番号:24271
木型番号:105EE(ウィズEE)
製法:グッドイヤーウェルテッド
アッパー:伊タネリー・ゾンタ社製TEMPO CALF(テンポカーフ)
ライナー:フルレザーレザー内装
ソール:英トーマス・ウェア&Co.社製レザー(オープントラック仕立て、ナーリング入り)
ヒール:半化粧
カラー:ブラックのみ
製造国:イギリス
備考:ジー・エム・ティー別注モデル
価格:4万9350円
※同型・同価格で英ハーボラフ・ラバー社製「ダイナイト スタッドソール&ヒール」(英国製)採用バージョンもあり。

お問い合わせ:

ジー・エム・ティー
TEL.03-5453-0033
http://www.burnish354.com
http://www.alfredsargent.co.uk/

※この情報は、2009年7月24日の情報です。