メンズシューズ

09.07.31 UPDATE

手縫いのノルヴェジェーゼ製法やコロラート仕上げなど、
卓越技が満載の美しきトレッキングブーツ

F.LLI GIACOMETTI(フラテッリ ジャコメッティ)

2カ月ほど前、本コーナーでグルカサンダルをご紹介したフラテッリ ジャコメッティが再登場です。今回は「マルモラーダ」の定番クライミングブーツ「FG105」についてお話ししたいと思います。
「マルモラーダ」はイタリア北部ベネト地方にて1890年代から3代続くハンドメイドシューズメーカー、フラテッリ ジャコメッティが2005年にスタートさせたラインで、細身&スマートな木型「マルモラーダ」で成型したアッパーに、技術的に極めて難度の高い手縫いのノルヴェジェーゼトレッチア製法でビブラムソールを縫合したクライミングブーツのコレクションであると定義できます。雑誌やネットなどで「マルモラーダ」をブランド名として紹介しているケースを散見しますが、それは誤まりのようです。ちなみに「Marumolada」は、イタリア領におけるアルプス山脈の最高峰の名に由来するものです。
さて、その「マルモラーダ」ラインの代表モデル「FG105」にも、もちろんハンドノルヴェジェーゼ製法が採用されています。しかも、そのノルヴェジェーゼステッチがさらに高度な手仕事を要求される鎖縫いなのですから迫力満点。また、VIOLA(パープル)×FUXIA(ピンク)の製品染め仕上げが非常に美しく、クライミングブーツに似つかわしくない(?)ラグジュアリーな雰囲気を醸し出しています。
これはコロラートと呼ばれる仕上げによるもので、風合いが繊細で色乗りのよい伊イルチア社製最高級ベビーカーフ「ベティス」のグレー・タイプを一度、アルコールで脱色し、そこに筆や布帛などを使って手仕事でパープルやピンクのアニリン染料を繰り返し塗布していくという、非常に手間を要する仕上げ法です。しかも、このカラーリングの後、その色に近い色のクリームを乗せ、ハンドで磨きかけるのですが、この際、手をやけどしかねないほどの摩擦熱が発生し、それにより、脱色で開いてしまった革の毛穴が閉じ、結果、大変美しい光沢を出すことができるのです。このコロラート仕上げだけで、実に1足あたり2時間ほどを要するというのですから驚きます。
ソールはもちろん、ビブラムソールを標準装備。いっぽう、シャンクをグラスファイバー製のものにし、ミッドソールに溝を入れるなどの工夫により、見た目に反し、軽く柔らかいクライミングブーツに仕上がっている点も特筆ものです。もちろん、すこぶる堅牢な仕立てですが、ハンドソーンならではの軽快な履き心地と、この種のブーツにはない品のよさやスマートさがあるので、大人の街歩き靴としても十分にイケます。そのうえ、世界屈指の技術を誇り、名だたる高級ブランドの製品も手掛けているジャコメッティの真価が体感できるのですから、これは本当に贅沢なトレッキングブーツなのです。

文:山田 純貴 写真:新城 孝

コロラート仕上げによるパープルとピンクのグラデーション。手仕事による丁寧な磨きによって美しくなめらかな光沢を生み出している。

F.LLI GIACOMETTI(フラテッリ ジャコメッティ)

アイテム:トレッキングブーツ
ライン名:MARMOLADA(マルモラーダ)
モデル番号:FG105
木型名:MARMOLADA(マルモラーダ)
製法;:ノルベジェーゼトレッチア(ノルウィージャンチェーンステッチ仕様)
アッパー素材:伊イルチア社製ベビーカーフ「BETIS(ベティス)」
アッパー仕上げ:COLORATO(コロラート)
ライナー:フルレザーライニング
ソール:伊ビブラム社製クレッターリフトソール
シャンク素材:グラスファイバー
カラー:パープル×ピンク(写真)を含む全10色展開
製造国:イタリア
価格:13万6500円

お問い合わせ:

ウィリー
TEL.03-5458-7200

※この情報は、2009年7月31日の情報です。