メンズシューズ

10.01.08 UPDATE

タッセルに控えめキルトが組み合わされた レア・デザインが魅力の大人顔スリッポン

LOAKE(ローク)

靴好きにとり、英国中部の街ノーサンプトンとその周辺地域はまさに"靴の聖地"です。ロンドンから北へ約100km。かつてのイングランドの首都で、現在もノーサンプトンシャー州の州都であるこの古都とその一帯は水源と森林資源に恵まれ、それゆえ、すでに中世には多くの製革業者が集まっていたそうです。すなわち、製革に不可欠な良質な水が豊富で、かつタンニンなめしに必要なオーク(樫の木)が多く自生していたことが、ノーサンプトンを"革の街"にしたのです。そして19世紀に入り、製靴業が工業化とともに急成長するにしたがい、良質な革を求め、この地にシューメーカーが集まったことで、次第に靴の一大生産地へと変貌。最盛期は20世紀はじめ頃〜1930年代で、その後は多くのメーカーが消滅したものの、それでもなお、今日、この地が"靴の聖地"であり続けいていることに変わりはありません。
ところで、時代の波にさらされながらもタフに生き残ったノーサンプトンのシューメーカーのひとつにロークがあります。1880年、ローク家のトーマス、ジョン、ウィリアムの3兄弟がスタートさせた老舗で、現在も創業家による経営のもと、セントミッチェル通り沿いに工場を構え、200人規模でOEM生産などを手掛けつつ、価格以上のクォリティを堅持するオリジナルも生産しています。
そのオリジナルは、日本では他のノーサンプトンのブランドに比すれば知名度で遅れをとった感はあるものの、逆に"知る人ぞ知る"的存在として靴好きらに支持されるという、そんなポジションにあります。筆者がロークというブランドを知ったのは10年以上前のことでしが、当時はいかにも英国靴らしいオーセンティックなドレスシューズがラインナップされていました。ですから、筆者の中ではクラシックシューズのブランドなるイメージが残っているのですが、今もそうした靴は継続的に展開されているものの、どうやら若い層の間では、よりカジュアル寄りの靴に人気が集まっているのです。
写真のタッセルローファーはそうしたカジュアル系の象徴的存在で、まさに定番中の定番。モッズ好きの間ではエアクッションソールが採用されたタイプが人気のようですが、こちらは同デザインながらシングルレザーソールのタイプで、それゆえ、エアクッションソールのタイプに比べ、よりドレッシーな大人顔に仕上がっています。
アッパーがガラス仕上げのポリッシュドレザーであるのは伝統的ですが、ユニークなのは甲の飾りでしょう。レザータッセルのみならず、その下にキルトフリンジがあるのです! このタッセルとキルトの両方をもつ靴は珍しいもので、筆者も初めて見ました。とはいえ、そのキルトは控えめなので、決してうるさい印象はなく、味のあるモカステッチと相まって、なかなか秀逸なバランスを見せています。しかもそのキルトと、タッセルの根革にもなっている甲ベルトは革を折り返して縫い糸を隠すという、ちょっと凝った仕立てになっていて、それがこの靴をより品あるものにしています。
製法は英国靴伝統のグッドイヤーで、しかもヒールまわりを含むアッパーをアウトステッチが全周するオールアラウンドなので、堅牢にして安定した歩行が選られる点も嬉しいポイント。また、流行に左右されない普遍性あるデザインながら、ややボリューミーなフォルムは昨今のファッションの流れにもかなっており、これもまた、この靴の魅力となっています。近年トレンドだったプレッピーなスタイルにはもちろん、このところ再燃しつつある英国調のカジュアルにも。もちろん、モッズ好きにもぜひ履いていただきたいスリッポンなのです。

文:山田 純貴 写真:猪又 直之

LOAKE(ローク)

アイテム:タッセルローファー
品番:LOK-014
製法:オールアラウンドグッドイヤーウェルテッド
アッパー:ポリッシュドレザー
ライナー:アンラインド仕様
ソール:シングルレザーソール(オープントラック仕様)
カラー:マーロットのみ
製造国:イギリス
価格:3万8850円 ※2010年3月より店頭販売開始

お問い合わせ:

メイデンカンパニー
TEL.03-5410-8873
http://www.loake.co.uk

※この情報は、2010年1月8日の情報です。