メンズシューズ

10.01.22 UPDATE

細部まで丁寧にあつらわれたオーダー靴が、
この値段とは、正直、驚いてしまいます

WASORYOKA(和創良靴)

筆者が宮城興業(1941年創業、1952年設立。本社・工場は山形県南陽市)によるパターンオーダーの存在を知ったのは6、7年前、都内某所にある老舗を取材したときでした。紳士向け服飾店にもかかわらず、その店では靴のオーダーも手掛けているというのです。特に靴販売専門のスタッフがいるわけではなく、ではフィッティングはどうしているかと聞けば、計測器で足長を計り、専用のゲージ靴に足入れして店内を歩くなどしてもらい、ウィズやアタリなどを確認した後に最適なサイズを選ぶシステムだというのです。そして、さらに詳しく取材していくにしたがい、このオーダーシステムがなかなかよく考えられたものだと認識。そして、これが宮城興業が全国の特約店(主に靴店、および服飾店)で展開しているパターンオーダーシステムであることも知ったのです。
今でこそワールド フットウェア ギャラリーにて、既製靴のオリジナルブランド「MIYAGI KOGYO」を打ち出すなどし、その優れた実力に注目が集まっている宮城興業ですが、創業以来ながらく、他のシューズブランドやショップなどに向けたOEMの生産を事業の中核としてきました。そうしたなかでマッケイ、ボロネーゼ、ステッチダウン、セメンテッド、はてはハンドモカシンといったさまざまな製法を我が物としてきたのですが、とりわけ十八番にしているのがグッドイヤー製法です。
「謹製誂靴」と銘打たれ、2004年4月に展開が始まった同社のパターンオーダーシステムの靴にも、その得意のグッドイヤー製法が採用されています。また、木型は英国調のエッグトウの「ES」、やや捨て寸の長いチゼルトウの「CS」、写真のフルブローグダービーにも使われている内振り形状のコンフォタブルな「MD」の3タイプが用意され、フィッティングの際にアタリがあれば、これらの木型に乗せ甲を施すなどの微調整も行われます。
驚くべきはデザインや素材、そしてサイズの豊富さで、これらを好みごとに組み合わせれば、パターンオーダーながら“世界中で自分だけの1足”が出来上がるというわけです。それにしても今回、このサンプルを手にし、同社の優れた製靴技術を再認識するとともに、このクォリティで3万円台からというお値打ちぶりに、自分もオーダーしてみようかと。思わず心動かされたのでした。

文:山田 純貴 写真:猪又 直之

この「MD」タイプではヒールリフトに、前壁が波型の曲線をカットされたトーマス・タイプを導入。この形状はオブリークな木型「MD」の内踏まずのアーチを支持するためのディテールだ。

WASORYOKA(和創良靴)

■写真のパターンオーダーシステム「謹製誂靴」サンプルシューズの諸元
シリーズ名:伝(MDタイプ)
モデル名:伝衛門(MD-11)
製造国:日本
価格:オープン価格 ※3万円台からオーダー可。オーダー内容ごとに価格は異なる

※パターンオーダーシステム「謹製誂靴」の概要は宮城興業の公式サイトを参照ください。

お問い合わせ:

宮城興業
TEL.0238-47-3155
http://www.miyagikogyo.co.jp/

※この情報は、2010年1月22日の情報です。