メンズシューズ

10.02.05 UPDATE

硬く重そうに見えましょうが、実はこの靴、
足に吸いつくかのような柔らかい履き心地です

MAGNANNI(マグナーニ)

靴の魅力を知り、その世界にはまり込んでいくと、やがて「製法」の大切さを実感します。これは木型とともに"履き心地"にかかわる非常に重要な要素だからです。
その製法ではグッドイヤーやマッケイがお馴染みでしょうが、実はマッケイのバリエーションに「ボロネーゼ製法」があります。別称がボローニャ製法ですから、ボローニャあたりが発祥地なのでしょうが、現在、これをこなすシューメーカーはイタリアでもごく少数。世界的にも珍しい製法とされています。詳しく延べるとやっかいなので、簡単に説明しますと、マッケイなどではアッパーとライナーをあらかじめ縫合(「製甲」と呼ばれる作業)したうえで木型に吊り込むのに対し、ボロネーゼではまず、ライナーの革を木型に吊り込み、そこにアッパーを乗せ、また吊り込むという方法がとられます。当然、マッケイより工程数は多く、技術面でもそのための鍛練が求められるのですが、アッパーとライナーが密着するため、まるでライニングが施されていない一枚革の靴のように柔らかく、反りに優れた靴に仕上がるというメリットが得られます。
ご紹介のマグナーニ(1954年創業)はスペイン発ながら、この手の込んだ製法を得意とする希有なブランドです。本国のみならずヨーロッパ各国やアメリカも市場とし、日本には2000年頃に上陸を果たし、もっか人気上昇中。
写真は昨秋からスタートした最高級ライン「セレクション」の1モデルで、アッパーには「色の魔術師」と謳われるミゲール・ブランコ氏が自らハンドペインティングを施した「マグナムカーフ」を採用。ダブルモンクというクラシカルながら粋なパターンに、このなんともラグジュアリーなフィニッシングが相まり、クラス感ある佇まいの極上靴に仕上がっています。また、本底を見れば、ビスポークのベヴェルドウエストかとみまごうほどに土踏まずのアーチが絞り込まれた、美しいプロポーション。マグナーニが誇る製靴技術の高さがうかがえます。
しかし、このモデルの最大の魅力は、やはり何といってもボロネーゼ製法です。重厚な外見に反し、履けば足に吸いつくかのように心地よい、そのフィット感には誰もが驚かされてしまうことでしょう。ことに、草履や足袋の時代が長かったせいか、概して柔らかい靴を好む日本人と、風格やスマートさではグッドイヤーの靴に全く引けをとらず、それでいて履き心地はソフトでコンフォタブルなマグナーニとは、実はとても相性がいいのではないかと思うのです。

文:山田 純貴 写真:猪又 直之

MAGNANNI(マグナーニ)

ライン名:SELECTION(セレクション)
モデル番号:11752
木型番号:278
製法:ボロネーゼ
素材:アッパー マグナムカーフ / ライナー フルレザー / シングルレザーソール(ファッジ式チャネル仕立て、ロールウエスト仕様、半カラス仕上げ) ※底前はブランドカラーのオレンジ
付属品:交換用シューレース、シューポーチ
製造国:スペイン

お問い合わせ:

オークニジャパン
TEL.03-3874-0092
http://www.okunijapan.co.jp
http://www.magnanni.com
http://www.boq.jp/special/2009/
magnanni/index.htm


※この情報は、2010年2月5日の情報です。