メンズシューズ

10.02.12 UPDATE

グレンソンの名作「ロンドン」は
ジェントルマンの装いを引き立てる名脇役

GRENSON(グレンソン)

どんなジャンルにも、その実力や品質に見合わず過小評価されている存在はあるものです。英国靴なら、かつてはクロケット&ジョーンズがそんな立ち位置にいましたが、いまなお十分な評価がなされていないのがグレンソンです。ということで、このノーサンプトンの名門の魅力を改めて知っていただきたいとの思いから、今回はその代表作「ロンドン」を取り上げてみました。
グレンソンは1866年、靴職人ウィリアム・グリーン氏がノーサンプトンシャー州の州都ノーサンプトンにほど近い州境の町ラシュデンにて創業。両親の家の一間を借りて開いたその小さな工房には、やがて腕利きの職人たちが多く集まり、事業は順調に発展。1895年には法人化され、社名には創業者の「GREEN」と、ウィリアム氏の息子チャールズ氏を指す「SON」の合成語「GRENSON」が採用されました。1911年には工場が拡大化され、今日みるような、1足を約200工程と8週間を費やして丹念に作り上げていく生産スタイルを確立。また、1990年代以降はさらなる質の向上に努め、結果、靴通の間でそのポテンシャルの高さが評価されるようになりました。話題性やトレンドとはほとんど無縁ながら"わかっている"人たちにはその魅力がちゃんと理解されている。グレンソンは、そんな実力派ブランドであるわけです。
写真の「ロンドン」は1999年の日本上陸以来、常に売れ筋を堅持する人気モデル。エドワード グリーンの「チェルシー」、ジョン ロブの「シティ」、チャーチの「コンサル」などと並ぶキャップトゥオックスの名品です。「でも、スクエアトゥじゃないか!」とおっしゃる方もおられるでしょう。たしかに「英国靴=ラウンドトゥ」のイメージはありますが、グレンソンに限らず、英国靴各社の古いカタログをみますと、実は意外にもスクエアトゥの靴が数多く存在していたことがわかります。そう、スクエアトゥはなにもイタリア靴の"専売特許"ではないのですね。ただ、この「ロンドン」にもみるように、やや丸みがあってトゥボックスが高めのシルエットはいかにも英国風です。
製法はもちろんグッドイヤーですし、木製シャンクやコルクフィラーなどを使用している点もオーセンティック。コバに施されたアウトステッチには防腐処理されたアイリッシュリネンが使用されるなど、細部まで名靴と謳われるに相応しい手のかけようです。とはいえ、佇まいはあくまでベーシックで、自らを主張するのではなく、スーツを品よく、かつ効果的に引き立ててくれる名脇役。これぞまさに英国靴のあるべき姿といえるのではないでしょうか? 英国靴のなんたるかを体感したいとお考えの方には「グレンソンという選択肢がありますヨ」とお伝えしましょう!

文:山田 純貴 写真:猪又 直之

GRENSON(グレンソン)

モデル名:LONDON(ロンドン)
製法:グッドイヤーウェルテッド
素材:アッパー 仏アノネイ社製カーフ「ボカロー」 / ライナー カーフ / ソール シングルレザーソール(オークバークタンドレザー製。ヒドゥンチャネル仕立て。真鍮製ネイル打ち。木製シャンク採用) / ヒール 加硫加工耐摩耗ラバー製トップリフト採用
製造国:イギリス
価格:7万1400円

お問い合わせ:

大塚製靴 TEL.03-3459-8521
http://www.otsuka-shoe.com/
brand/grenson/grenson.html

http://www.grenson.co.uk

※この情報は、2010年2月12日の情報です。