メンズシューズ

10.02.19 UPDATE

この春夏、週末の足元にエスパドリーユはいかがですか?

CASTAÑER(カスタニエール)

エスパドリーユはジュートソール(別称ロープソール)+キャンバスアッパー製の履物で、アルパルハータと呼ばれる靴と同種とされています。この種の靴はフランスやスペインの船乗りや港湾労働者、農民らが履いていた作業靴が起源(日本の履物でいえば草鞋に相当)。それがリゾートシューズとして認知されたのは、1923年、南仏コードダジュールに滞在していた、あるアメリカ人が船乗り向けの衣料品店でそのユニークな作業靴を"発見"し、リゾートスタイルに取り入れたことがきっかけで、'30年代に欧米の各リゾート地で大流行したからです。
ところでエスパドリーユの最大の特徴といえば、やはりジュートソールです。これはジュート(黄麻)をロープ状に編んで作られたソールで、水気を通すうえに乾きやすく、濡れたデッキでも滑りにくいとあって船乗りたちに愛用されたものと思われます。しかもアッパーは革製もあるのですが、多くはコットンキャンバス製で、素足履きやステップイン(かかとを踏んで履くこと)に対応すべくライニングやヒールカウンターが廃されているという特徴もあります。
さて、写真はそのエスパドリーユの代表的メーカー、スペインはカスタニエールの製品です。同社を営むカスタニエール家のエスパドリーユづくりの歴史は古く、それは18世紀にさかのぼるとのこと。また、メーカーとしてのスタートは1927年で、それはルイス・カスタニエール氏と彼の従兄トーマス・スクラ氏が小さなワークショップを開いたことがきっかけでした。1936年に勃発したスペイン内戦では共和軍にエスパドリーユを供給し、1960年代にはイブ・サン=ローラン氏の目にとまったことがきっかけで世界初のウェッジソール付きエスパドリーユを製作。以後、クリスチャン・ディオール、エルメス、ルイ・ヴィトン、ラルフ・ローレンなど名だたるブランドの製品も手掛けてきました。
ところで写真のエスパドリーユ。最も注目すべきはトップホールにタングが付いている点です。筆者も経験があるのですが、一般的なエスパドリーユの場合、ちょうどスリッパのようにトップフロントが直線的にカットされていて、素足履きで歩くうちにその部分が甲に当たって痛みが出たり、擦り傷になってしまうのです。しかし本品ではその部分にタングがあるため、そうしたトラブルを避けることができそうです。また、ソールも少々変っていて、じつは本底が半透明ラバーで、そのラバー越しにインソールのジュートソールが見える構造です。街履きが前提であれば、やはりラバーソールのほうが利点は多いわけで、この点においてもなかなか実用的な靴だといえましょう。
昨年に続き、この春夏もデッキシューズがカジュアルシューズの一大勢力となる模様ですが、今季はその延長としてエスパドリーユが注目されています。たしかにシンプルな靴ゆえに安価な製品も多々存在しますが、紳士たれば少々値ははるものの、このカスタニエールのような本格的かつ実用的な1足がお薦めです。

文:山田 純貴 写真:猪又 直之

CASTAÑER(カスタニエール)

アイテム:エスパドリーユ
製法:セメンテッド製法(底付け)
素材:アッパー / コットンキャンバス(ヘリンボーン織り、アンラインド仕様)、ソール / ジュート製ロープソールにラバーを加硫圧着、カラー / 生成り(写真)、イエロー、ネイビーの3色展開
製造国:スペイン
価格:1万6800円

お問い合わせ:

HIGH BRIDGE INTERNATIONAL
TEL.03-3486-8847
http://www.highbridge.co.jp/

※この情報は、2010年2月19日の情報です。