メンズシューズ

10.03.05 UPDATE

トレンドのエッセンスを巧みに取り入れつつも末長く
履くこともできる、このバランスの良さが絶妙です!

CROCKETT & JONES(クロケット&ジョーンズ)

ドレス系シューズブランドの場合、一番人気のモデルはキャップトゥオックスというのが定石ですが、「ブーツでは?」となりますと、これは大概がチャッカなのです。ブーツ丈が低いので比較的脱ぎ履きが楽であるとか、コーディネートの守備範囲が広いからといった理由が、こうしたタイプを売れ筋にしているのでしょう。しかも昨今はビジネススタイルのカジュアル化が進んでいますから、ドレス系にカテゴライズされつつも、オン&オフ両用で履くことができるセミカジュアルなチャッカはますます人気なのです。
そこで写真のスエードチャッカにご注目を。これはクロケット&ジョーンズ(1879年、英ノーサンプトンにて創業)の新作ブーツ。明るめブラウンのスエードが採用されていますが、これもまたもっかトレンドのカラー&マテリアルです。
しかし、この新作の最大のポイントはアンラインド仕様である点でしょう。アンラインドも、この数年で春夏の定番ディテールになっているわけですが、その多くはスリッポンに採用されています。ライニングが施されていないぶん、反(かえ)りが柔らかく足当たりがソフトであるため、素足で履きたいスリッポンにことに好都合なのです。が、こうしたドレス系のブーツでアンラインドという例は決して多くありません。
ライニングされていないため、非常にソフトに仕上がった本品(ただし、トゥキャップとヒールカップにはしっかりとカウンターが入っています)ですが、レザーソールをよく見ますと、なんとこれがダブルソール! シングルソールのように薄いので気づきにくいのですが、コバの切り目を観察すれば、ウエルト(細革)を除いても2層であることからそれがわかります。おそらくはダブルソールにすることで履き馴染みをよくし、しかし、それを薄底に仕立てることで反(かえ)りの良さを確保し、アンラインドのソフトなアッパーとのバランスを図ったということなのでしょう。
ちなみに、採用されている木型はチャッカ用の定番「200」番。控えめに膨らみのあるラウンドトゥの木型で、スマート&エレガントなシルエットながら英国らしいクラシックな雰囲気もうかがえる、クロケットらしいフォルムといえるでしょう。
さて、整理しますと、本品はファッションにおける"イマの気分"を巧みに反映した1足であるといえます。すなわち「明るいスエード」のアッパーを「アンラインド」で仕立てた「柔らかくてコンフォタブル」な履き心地の「チャッカ」という、4つのトレンド条件がこれに集約されているのです。ですから、スーツのドレスダウンからジャケパンまでさまざまなビジネススタイルに違和感なく合い、デニムなどのリラックス・スポーティなカジュアルにも絶妙マッチしてくれるわけなのです。とはいえ、パターンはオーセンティックなので、単に一過性のアイテムにはならず、末長く履き続けられるという点もまた素晴らしいと思うのです。

文:山田 純貴 写真:猪又 直之

CROCKETT & JONES(クロケット&ジョーンズ)

モデル名:CHUKKA(チャッカ)
木型番号:200(ウィズD)
製法:グッドイヤーウェルテッド
素材:アッパー/カーフスエ−ド、ライナー/アンラインド(ヌバック仕上げ)、ソール/ダブルレザーソール(オープントラック仕様)
製造国:イギリス
価格:5万9850円

お問い合わせ:

ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館
TEL.03-3479-8180
http://www.united-arrows.co.jp/

※この情報は、2010年3月5日(金)の情報です。