10.08.23 UPDATE
ス・ミズーラの新進ブランド初の既製靴は
バダラッシの希少革が使われた味ある1足
清角 豊(せいがくゆたか)氏が展開するス・ミズーラのシューブランド、コルノ ブルゥについては、この「クローズ・アップ」で既報('09年5月8日付)しましたが、今回はこの秋から展開が始まる同ブランド初のプレタポルテを取り上げます。
清角氏のス・ミズーラは流線を巧みに活かすなどしたエレガントな佇まいが靴通から高く評価されていますが、このチェルシーブーツでも、たとえばサイドゴアの形状などにそうした個性が見てとれます。しかも木型はス・ミズーラでの経験をもとに開発されたもので、ウィズEながらアウトサイドの曲線を工夫することで靴全体をナローに見せていたり、「バチ」と呼ばれるバックステイのテープを配することで丸みに富むヒールカップを作り出し、くるまれるようなかかとのフィッティングを可能にしてもいます。
しかし、とりわけ注目したいのが伊トスカーナ地方の古典的製革法のバケッタ製法を現代に甦らせたことで名高いトスカーナの高級タンナー、カルロ・バダラッシ社の「バケッタ リバース」をアッパーに採用した点でしょう。同地方ではハンティングシューズなどに使われているこの高級素材は、この名のとおり、バケッタ製法でなめされた革の床(とこ)を表面に使用した素材で、その床に蜜蝋をコーティングし、パウダーを吹き付けるという仕上げがなされています。雨や傷に強いうえ、ご覧のとおり、ちょっと枯れたようにも見える独特の風合いが魅力的なエイジングレザーですが、日本ではこの革が使われた例は珍しく、しかも、こうしたドレッシーな靴に採用されるのはイタリア本国でも稀とのこと。なお、日本屈指の技術力で名高いセントラル靴(詳しくは本サイト「竹川圭のshoe人十色」第4回を参照のこと)が製造を担っているため、クオリティの高さは申し分なし。これに単価の高いバダラッシの革を使っていることも加えれば、アンダー7万円は非常にお値打ちといえるでしょう。また、カジュアルにはもちろん、エレガントな佇まいゆえJKスタイルにも絶妙マッチ。前述したとおり「バケッタ リバース」の採用により、雨の日履きにも対応するといった汎用性の高さを考慮すれば、これは費用対効果の高い1足といえるのではないでしょうか。
文:山田 純貴 写真:猪又 直之
CORNO BLU(コルノ ブルゥ)
| モデル名:チェルシー 製法:グッドイヤーウェルテッド 素材:アッパー/「バケッタ リバース」(伊カルロ・バダラッシ社製)、ライナー/フルレザーライニング、ソール/シングルレザーソール(ヒドゥンチャネル仕立て。フィドル風ウエスト。半カラス仕上げ) カラー:ブラック、カスターニョ(栗色)の2色展開 ※清角縫靴店直売には限定色コニャックもあり 製造元:セントラル靴 価格:6万8250円 ※同素材使用でジョージブーツ(6万8250円)もあり |
お問い合わせ:
ビームス ハウス丸の内 TEL.03-5220-8686
http://www.beams.co.jp/
清角縫靴店 TEL.092-725-6740
http://www.cornoblu.com/
※この情報は、2010年8月23日(月)の情報です。

