メンズシューズ

10.09.10 UPDATE

フォーマルスタイルに個性を添えるなら
パンチングメッシュのオペラパンプスを

DUCAL(デュカル)

メンズシューズの基本形は、そのほとんどが近代ヨーロッパ(主に英国)で確立されました。すなわち、市民社会が到来し、産業革命が進むなかで男の靴が"かくあるべき"スタイルへと収斂されていったのです。が、オペラパンプスはそれら"近代生まれ"のメンズシューズと一線を画した、かつて王侯貴族らの足元を飾った靴の佇まいを濃厚に残す希有な存在です。実際、18世紀以前のヨーロッパ貴族たちの肖像画などを見ますと、彼らが、今の視点ではあまりにも女性的に見える華奢で優雅な靴を履いていたことがわかります。彼らが没落し、上流市民が台頭するにいたっても、公式行事や晩餐会、舞踏会、オペラ、音楽会といった"ハレ"のシーンではそうしたノーブルな靴が履き続けれら、洗練化と定型化が進みつつも、今日、テイルコートやタキシードに合わせる靴として生き残ったのです。
ところで、今日、私たちがイメージするオペラパンプスは"黒のエナメルレザーのアッパーにサテンの甲リボンが飾られたスリッポン"ということになるでしょう。ところがワールド フットウェア ギャラリーの企画による、このデュカル(1937年、フィレンツェにて創業)の新作はエナメルに代え、メッシュ状のパンチングが施されたカーフが使われ、甲リボンもサテンではなくレザーにして個性を主張。この種の靴としては男っぽい雰囲気を醸し出しています。「女っぽいから・・・・・・」とオペラパンプスを敬遠している人も、この靴ならさほど抵抗なく履くことができるのではないでしょうか。
ちなみに木型は内振りのコンフォタブルな形状で、やや長めの捨て寸ながらシャープすぎず、シルエットの流線はあくまで繊細にして優美。薄いレザーソール、限界まで張り出しを抑え込んだトップキウゾ仕様のオール丸コバ、土踏まずのアーチが細く絞られたレザーソール、小ぶりのピッチドヒールといった各ディテールも、この靴の優雅な佇まいに大きく貢献しているようです。
さて、前述したように、オペラパンプスはハレの日の装いに履かれるべきトラディショナルな靴であることがおわかりいただけたと思います。現代では黒のストレートチップなどを代用している人は少なくないでしょうが、個性が主張しづらいフォーマルスタイルにあって、正しくオペラパンプスで足元を飾れば、ちょっと他人と差のつく着こなしにすることができるでしょう。

文:山田 純貴 写真:猪又 直之

DUCAL(デュカル)

アイテム:オペラパンプス
モデル番号:6556
製法:マッケイ
素材:外装/カーフ製(パンチングメッシュ仕上げ)、内装/フルレザーライニング、ソール/シングルレザーソール(ヒドゥンチャネル仕立て。トップキウゾ&オール丸コバ。ロールウエスト。額縁付きアンティーク調グロス仕上げ)、ヒール/ピッチトヒール(半化粧トップリフト)
製造国:イタリア
価格:6万9300円

お問い合わせ:

ワールド フットウェア ギャラリー 神宮前本店
TEL.03-3423-2021
http://www.wfg-net.com
http://www.ducal.it

※この情報は、2010年9月10日(金)の情報です。