CLOSE UP SHOES

ZONKEY BOOT(ゾンキー ブーツ) 

週末の足元を品よくクラスアップしてくれるキャンバス使いの上質サマーシューズ

「えっ? サン クリスピンとジャコメッティ?」。ゾンキー ブーツの存在を知った際の、これは筆者が思わず口にした言葉です。このほどデビューしたゾンキー ブーツは、靴職人でデザイナーのマイケル・ローレック氏がサン クリスピンとは別に立ち上げた、ファッショナブルなカジュアルシューズのブランド。どうやら同氏がジャコメッティ兄弟と出会ったことがきっかけで、このプロジェクトが始まった模様です。そして、このキャンバス使いのダービーもジャコメッティの工場で生産されたものなのです。
とはいえ、前者はビスポークから始まった東欧ブランドで、いっぽう、後者は多彩な製法を駆使して一流ブランドの製品を手掛けつつ、ビジネス、カジュアル、サンダル、マウンテンブーツ、ワークブーツなどのオリジナル製品を展開する北イタリアの実力派ファクトリー。高品質なハンドメイドシューズのブランドである点を除くと共通点がないように思え、それゆえこの組み合わせを筆者は意外に思ったのです。ちなみにジャコメッティについてはこのコーナーで紹介ずみですので、以下ではサン クリスピンについて簡単に解説します。
ウィーンで靴工房を営んでいたローリック氏が1992年に立ち上げたサン クリスピンは、現在、同地に本社を置きつつ、ルーマニアの第二の都市ブラゾフに工場を構え、そこで100%ハンドソーンウェルテッド製法のビスポーク、ならびに九分仕立てのプレタを生産しています。後者だけでも月産わずか約80足という小規模生産で、いずれも通好みの極上靴。近年、日本でも高い品質からその名が知られるようになってきた存在です。ちなみに、ブランド名は3世紀に靴作りのかたわら、キリスト教を説いて殉教したカトリックの聖人で、靴や皮革の守護聖人の聖クリスピンが由来です。

前置きが長くなりましたが、ゾンキー ブーツのファーストコレクションの1アイテムとなる写真のモデルです。アッパーのコットンキャンバスはザラッとした手触りと上品な発色が魅力的で、しかも製靴前に洗い加工を施すことで目を詰まらせてあるので風合いに味があり、耐久性にも優れています。また、外羽根の縁やトップラインなどにはパイピングなどは施さず、あえて生地の切り目にほつれを入れてあり、これがほんのり膨らみを帯びたエッグトゥとも相まってリラックス感を演出。スマートなフォルムはスポーティな印象ですが、実はボールガースは見た目以上にゆとりがあるので、細身の靴が合わないという人にも試着する価値のある1足となっています。
デザインも絶妙です。非常に簡素で、プリミティブにも見えますが、それでいて大変個性的で、かつ佇まいはエレガント。キャンバスのブルーも清々しく、まさにこの夏、週末の足元を飾るに相応しい大人のリゾート靴に仕上がっています。カジュアルでは今季、デッキスリッポンが人気ですが、人とはかぶらないサマーシューズをお探しの方などにぜひお薦めしたい1足だと思うのです。なお、エストネーションでは、この靴に洗い加工のリネンやコットンの夏ジャケットやロールアップさせたチノパンツを合わせたコーディネートを提案しているとのことです。

ZONKEY BOOT(ゾンキー ブーツ) 4万8300円
コレクション名/ザ・レジャー・グループ、モデル/プレウォッシュドキャンバス シームレスダービー、製法/セメンテッド、素材/アッパー ウォッシュ加工コットンキャンバス、ライナー レザー、ソール ダブルラバー、カラー/ベージュ、ブルーの2色展開、製造国/イタリア

問:エストネーション TEL.03-5159-7800 www.estnation.co.jp  www.zonkeyboot.com
※この情報は、2011年6月8日の情報です。

 

文:山田 純貴 写真:猪又 直之