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SPERRY TOP-SIDER(トップサイダー) -プレッピーならずも欲しくなるデッキシューズの名品トップサイダーのモカシンはウンチクも特盛りです

夏場のカジュアルシューズで不動の主役となった観のあるデッキシューズ。今回はその真打ち、トップサイダーの登場です。'80年代以降、何度もブレイクを繰り返しながら多く愛用者を生み出してきたファッション面での実績に加え、このブランドにはデッキシューズの先駆者という“顔”があります。19世紀に英国で誕生したボートブーツにアメリカの伝統的モカシンを融合。さらに、そこにデッキシューズとしての機能を追加したことで、今日あまた見るアメリカンデッキモカシンが誕生したと推定されますが、トップサイダーはこのスタイルを広め、定着させた偉大な存在なのです。

1935年、米マサチューセッツ州で誕生。当時、セイラーだったポール・スペリー氏が氷上を走る愛犬の姿からインスピレーションを受け、その足裏をヒントに開発したのが、有名な「スペリーソール」です。一般的な靴底はハイドロプレーニング現象(水の被膜でグリップ性を失う現象)を起こすため、濡れたデッキ上で著しく滑り、歩行と安全を妨げます。いっぽう、この現象の発生を防ぐべく開発された「スペリーソール」には、表面に細かい波状の切り込みが施されており、歩行すると、この切り込みが「広がる→閉じる」を繰り返しながら浸入していた水分を押し出す構造になっています。しかも、切り込みが“波状”のパターンなのもミソ。直線では水分が刻みの中で移動してしまうのですが、波状ですと、波形のトップ部分とボトム部分で微妙に排水するタイミングがズレることから、たとえばトップ部分の水が波形のボトム部分に移動しても、そこで外に押し出されてしまうわけです。と、聞けば「そりゃそうだろう」となりますが、筆者などは「これは“コロンブスの卵”。素晴らしい発明だ」と感心してしまうのです。

ちなみに、トップサイダーの製品は「オーセンティック・オックスフォード」や「オーセンティック・スリッポン」に代表されるキャンバスのスニーカータイプと、前述したレザーモカシンタイプに大別できます。どちらも人気が高く、また、どちらにも「スペリーソール」が採用されているのですが、今回紹介する「オーセンティック・オリジナル・ボート・シューズ」は後者を代表する定番中の定番です。

まず、注目すべきは、アメリカンモカシンの伝統を実感できるモカのトゥルーモックステッチです。これは職人があらかじめ目打ちは施さず、ダイレクトにモカとヴァンプを縫い付けるというプリミティブなハンドソーンで、熟練の技術力が求められるいっぽう、靴全体をクラフト感のある表情豊かなものに見せてくれる縫製法です。ちなみに本品ではモカのみならず、バックステイのキッカーにもこの技術が取り入れられています。また、シューストリングが革製であるのは、コットン製のように濡れた際に膨張して結びがほどけなるのを防ぐためですし、このストリングがトップラインに沿って全周しているのは、波に靴がさらわれるのを防ぐべく履き口を絞めるための仕様。さらに、アンラインドであるのは素足で履いても足へのアタリが優しいという利点に加え、アッパーとライナーの隙間に水が入り込むのを防ぐという目的もあります。

と、事程左様に各所にデッキスシューズとしての基本的な機能が怠りなく取り入れられた、この「オーセンティック・オリジナル・ボート・シューズ」。ファッショナブルであるのみならず、一見してシンプルでオーセンティックながら、実は男が好むウンチクもが満載の機能シューズである点もまた、とても魅力的なのです。

SPERRY TOP-SIDER(トップサイダー)デッキモカシンシューズ AUTHENTIC ORIGINAL BOAT SHOE(オーセンティック・オリジナル・ボート・シューズ) 20,790円
製法/モカシン×マッケイ、モカ縫製/トゥルーモックステッチ、アッパー/カウスエード、ライニング/アンラインド仕様、ソール/オリジナルデッキソール「スペリーソール」 カラー/サハラ(写真)、ネイビーの2色 ※同型のスムースレザー製でダークブラウン、ネイビー、ホワイト×ネイビー×レッドもあり

問:トレーディングポスト 青山本店 TEL.03-5474-8725
トレーディングポスト 銀座店 TEL.03-3567-3739
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http://www.sperrytopsider.com/

 

文:山田 純貴 写真:猪又 直之