CLOSE UP SHOES

ヨセミテ)

パラブーツの兄弟ブランドであり、リシャールポンヴェール社(1908年、レミー・リシャールポンヴェール氏が仏ヴォアロン地方で創業)のアルピニスト向けブーツブランドのガルビエール(ガルビエ。1950年代〜)。無骨すぎない、スマートで洗練されたヨーロピアンルックスが、かつて多くのお洒落好きたちに支持されていたことが思い出されます。現在、ラインナップが本格仕様のアイテムに絞られたこともあって日本での展開はないものの、2007年に往年の名靴「アヴォリアーズ」がパラブーツのブランドで復刻され、また、創業100周年記念にマウンテンブーツのマスターピース「スーパーガイド・デ・メゾン」が日本でもオーダー可能になるなどし、話題になりました。

さて今回は、その「アヴォリアーズ」と同様にパラブーツ・ブランドで復刻された、懐かしい「ヨセミテ」の紹介です。ヨセミテとは、国立公園であり、世界遺産にもなっている米カリフォルニア州中部にある渓谷の名です。そして、このクレッターブーツは1960年代から'70年代、この渓谷で多くのビッグウォールを制覇して「ヨセミテの帝王」と称され、また、世界中で活躍したロッククライミングの巨人、ロイヤル・ロビンス氏(1935年〜)とガルビエールのコラボレーションにより、'70年代に誕生したものです。崖を登るに適したグリップ性能と反(かえ)りの良さを併せ持ち、しかも軽いが耐久性に富む完全自社製底材「ジャンヌソール」を備えたこのモデルは、その出自が“本格”でありながら、日本では'90年代にガリビエールの他のモデルと同様、人気セレクトショップで盛んに取り扱われ、ファッションアイテムとして親しまれていました。

そんな往年の人気モデルが復活したのですから、これは注目せずにはいられません。 製法はノルヴェイジャンやグッドイヤーではなく、より反りのいいマッケイ製法。スペイン・アルネプラント社のナノテクノロジーカップインソールも、足へのフィット感と靴中の快適な環境に大きく貢献しています。また、前述の「アヴォリアーズ」と比べますと、少々スニーカーライクといいましょうか、よりカジュアルな印象で、そこにスエードの柔らかい表情が加わるためか、マウンテンブーツ特有の重々しさはさほどなく、足元に適度な軽快さとボリューム感をもたらしてくれます。しかも、元来はロッククライミングの際、足の位置を確認しやすくするためのディテールである赤いシューレースは、コーディネートの効果的なアクセントになってくれるでしょう。ちなみに、筒部分にゴールドの箔でプリントされている「R」のロゴはリチャード(Richard)ファミリーのイニシャルとのことで、これはオリジナルにはなかったディテールです。

聞けば、今季、マウンテンブーツが昨年以上に人気とのこと。ただし、重厚なタイプではなく、見た目も履き心地もより軽やかなタウン向けが主流のようです。となれば、この「ヨセミテ」もそうしたトレンドにしっかり応えてくれる1足となるはず。しかも、前述したように歴史的背景もあるモデルですから、履けば今季気分が盛り上がるのは当然として、ちょっと人にウンチクなど語って自慢したくなってしまうかもしれません。

PARABOOT(パラブーツ)

アイテム:レースアップクレッターブーツ
モデル名:YOSEMITE(ヨセミテ)
品番:1165
製法:マッケイ
アッパー:スエード
トウガード&アウトサイドヒールカウンター:ポリウレタン
ライナー:レザー
インソックライナー:スペイン・アルネプラント社製カップインソール ※スエード全敷き
ソール:自社製「JANNU SOLE(ジャンヌソール)」 ※純ラテックス製
ヒールリフト:ラバー製トップリフト(オリジナル製)
カラー:ベージュ(写真)、キャメル、レッド、ブルー
付属:マーブル調スペアシューレース 製造国:スペイン
価格:39,900円

問:パラブーツ青山店 TEL.03-5766-6688 http://www.paraboot.com
ヨセミテはボックブティックで購入できます→


 

 

文:山田 純貴 写真:猪又 直之