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ダーミ

ワニ革が使われたスニーカーといいますと、以前、このコーナーでフェニックスを紹介したことがあります(2009年4月13日アップデイト)が、今回は同じアーリープロジェクツ社によるハイグレードなブランド、ダーミに注目します。
アーリープロジェクツ(設立:1995年。本社:伊トスカーナ州ピストイア市)の原点は、トスカーナ州モンスマーノテルメ地区にてダーミ家の当主が製靴業に取り組んだ1940年代にあるそうです。'50年代に靴用部材の販売事業にシフトした同社は国内はもとより、東欧やインド、中国にまで販路を広げていきます。そして1998年、ワニ革の加工メーカーで世界一のシェアを誇るシンガポールのヘンロン社と提携し、ワニ革の販売に着手。名だたる高級ブランドなどに供給するいっぽう、翌年、ワニ革を使った靴を展開するハウスブランド、フェニックスを立ち上げるのですが、これは製靴業がルーツの同社にとって悲願であったようです。不断の努力でこのプロジェクトも成功を収め、海外に進出(日本への本格上陸は2008年)。現在では鞄や小物なども展開しています。 2003年にデビューしたダーミはラグジュアリー、かつドレッシーなアイテムで構成することでフェニックスとの棲み分けがなされています。ワニ革をアイコンのように使うフェニックスに比し、ダーミはアッパーを丸々クロコダイルレザーで構成。しかも、片足に1頭分の革が使われているばかりか、真上から見て両足の斑紋が左右鏡合わせになるよう革の柄目を厳選しているのです。

見逃せないのは、その斑紋の味わいある表情でしょう。これはアンティーク加工の賜物で、控えめながら斑ごとに濃淡があり、結果、クロコ独特の豊かな表情がさらにニュアンスあるものに仕上がっています。さらに、硬そうな印象があるクロコ革ですが、本品に使われているそれはまことに柔らかく、筆者などは、そのふんわりとしたタッチ感に魅せられてしまったほど。これはもう、ワニ革の特性と魅力を知り尽くしたアーリープロジェクツだからこその魅力であろうと納得しました。
希少性の高いクロコ革が惜し気もなく使われているのですから、スニーカーとはいえ高価であることは確かです。しかし、履くシーンが限定されがちなドレスタイプとは異なり、さまざまなシーンで愛履きでますから、費用対効果は高いのでは? そう考えますと、クロコ好きの方はもちろん、ワニ革製品の入門者にもお薦めできそうです。

DAMI(ダーミ)

アイテム:レザースニーカー
シリーズ名:VINTAGE(ヴィンテージ)
モデル番号:2979
アッパー:HENG LONG(ヘンロン)社製クロコダイルレザー ※ヴィンテージ加工
ライナー:カーフ
インソック:カップインソール(ラテックス+カーフ)
ソール:オリジナルラバーソール
カラー:ブラック、ホワイト(写真)、ブラウンの全3色
製造:イタリア
価格:14万7,000円

お問い合わせ:アーリープロジェクツジャパン TEL.03-3462-2345 www.allyprojects.jp

 

文:山田 純貴 写真:猪又 直之