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ウォークオーバー

今季は久々にウイングチップが盛り上がっていますが、なかでもトウチップの両端がバックステイまで延びた外羽根タイプ、すなわちロングウイングチップダービーが多く目につきます。ウイングチップの発祥はイギリスですが、グラマラスなデザインが好みに合ったのでしょう。とりわけアメリカで大いに履かれたようです。そしてより無骨でラギッドなロングウイングチップが生み出され、アメリカントラッドシューズの定番デザインに。このタイプがアメリカンフルブローグとかアメリカンウイングチップなどと呼ばれるのは、こうした理由によるものです。 日本ではアメトラブームの1960年代後半~'70年代前半に盛んに履かれました。'80年代にもマニアックながら人気だった時期があったものの、それ以降はトレンドと無縁の印象がありました。ですから、今季、さまざまなブランドがロングウイングチップダービーを積極的に展開しているのを見ると、流行とはなかなか面白いものだと思うのです。

前振りが長くなってしまいました。アメリカントラッドの象徴ブランド、ウォークオーバー(1758年創業)のロングウイングチップダービー「ケンブリッジ」の紹介です。この「クローズアップ」のコーナーですでにお話したとおり(2011年8月10日アップデイト)、1990年代半ばに消滅するも2010年に伊ASAP社によって再興された名門老舗ですが、今回のモデルは“ブランド消滅”以前にすでに定番として存在していたものの復刻で、しかも“イマの気分”に適うよう、よりボリュームのあるスタイルにアレンジされています。また、先行でワクシーレザーやスエードのブリックソールバージョンがリリースされていますが、それらに対し、本品はアッパーにペブル(小石)パターンのエンボスレザーを、また、アウトソールにはブリックソールではなく、レザーソールが採用されています(ブランド復活後では、これが初のレザーソールモデルとのこと)。しかもロングウイングチップダービーお約束のダブルソールではなく、あえてシングルソールというのもポイント。こうした諸条件により、カジュアルすぎず、しかし無骨にもなりすぎない、ほどよい品のよさを足元に演出するのです。
ロングウイングチップというと、その重厚な印象から手が出にくいという人は少なくないでしょう。しかし、この「ケンブリッジ」のペブルタイプはさほど重々しくならないので、たとえばデニムなどと組み合わせれば大人の休日スタイルがスパイシーにキメられますし、ジャケットなどのビジカジスタイルとも違和感なくマッチするという具合に、さまざまなコーディネートと相性がいいのです。ですから、昔からのウォークオーバーのファンやウイングチップ好きはもちろんですが、ロングウイングチップ入門者にも、これはお薦めできる1足だと思う次第です。

WALK-OVER(ウォークオーバー)

アイテム:ロングウイングチップダービーシューズ
モデル名:CAMBRIDGE PEBBLE(ケンブリッジ ペブル)
製法:グッドイヤーウェルテッド(オールアラウンドアウトステッチ仕様)
アッパー:ペブル調エンボスレザー
ライナー:フルレザーライニング
ソール:シングルレザーソール(オープントラック仕立て。アンティーク調カラス仕上げ)
カラー:ブラックのみ
製造国:アメリカ
価格:42,000円

お問い合わせ:ハイブリッジ インターナショナル TEL.03-3486-8847
http://www.hightbridge.co.jp/walkover/
http://boutique.boq.jp/boqselect/walkover/

 
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文:山田 純貴 写真:猪又 直之