CLOSE UP SHOES

アレン・エドモンズ

ウイングチップ両端がバックステイまで伸びたダービー(外羽根)シューズをロングウイングチップ、これにブローギング(穴飾りやギザ飾り)とダブルソールが加わった無骨なスタイルをアメリカンフルブローグなどといいます。アメトラの基本デザインゆえこう呼ばれるのですが、今季、この靴種がトレンドアイテムとして注目されています。もっとも御本家たるメイド・インUSAの製品は?といえば、これは極めて稀というのが現実。今回は“そこ”にこだわりたい人にお薦めのアレン・エドモンズの定番「マックネイル」を紹介します。
いまなおアメリカントラッドシューズの佳き伝統を貫くアレン・エドモンズは、1922年、米国中北部に位置するウィスコンシン州のミシガン湖岸の小さな町ベルギーにて靴職人エルバート・W.アレン氏により創業。さまざまな足型に対応すべく幅広いサイズ&ウイズを用意し、返(かえ)りのよい履き心地コンフォタブルな靴を作り、大成功を収めました。現在も同州南部ポートランドの自社工場で伝統的なグッドイヤーシューズを生産しており、その規模は同じくアメリカ製を貫くオールデンを凌いでいるようです。バラク・オバマ大統領が同社のパーティシューズを愛用するなど、本国での存在感は日本以上のものがあります。

「マックネイル」はメダリオンが大きく先端まで張り出しており、ブラッチャー(外羽根)やトップホールに施された黒いレザーパイピング、各所に施されたダブルステッチと相まって、この靴をいっそうグラマラスにしています。また、ぶ厚いダブルソールがリバースウエルトとともにオールアラウンドのアウトステッチでアッパーに縫合されている点も、これまたアメリカンドレスシューズの“お約束”といえましょう。 しかし、アイコン的存在のキャップトウオックス「パークアべニュー」に比べれば、「マックネイル」はややスタイリッシュに見えます。「パークアベニュー」の「5番」ラストは甲高で丸みのある形状が特徴ですが、こちらに採用されている「7番」ラストは甲やトップ(履き口)が低いため、真横から見るとスポーティ、かつドレッシーな印象です。トウがインサイドに大きく屈曲した、いわゆる内振り形状であるのは両者共通で、このあたりからはアメリカ伝統のコンフォートの思想がうかがえます。

アッパーには米ホーウィン社のシェルコードバンが使われています。コードバンというとオールデンのイメージがありますが、元来、アメリカンシューズのオーセンティックな素材であり、1960年代頃まではさまざまなメーカーでおなじみでした。つまり、アレン・エドモンズはオールデンとともにこの伝統を堅持し、コードバンシューズをつくり続けてきたメーカーなのです。そして、いうまでもありませんが、本国の自社工場で作られた正真正銘のメイド・インUSA! となれば、これはもう、アメトラ好きならずとも嬉しくなってしまうのです。

このように製造地、製靴法、素材、デザイン、ディテールとどこをとっても“間違い”のない、これは“直球”のアメリカンフルブローグ。正統にこだわりたい靴通や、他人と差のつく靴をお望みのファッショニスタならぜひとも“押さえておきたい”1足であるに違いありません。

ALLEN EDMONDS(アレン・エドモンズ)

アイテム:アメリカンフルブローグダービーシューズ
モデル名:MACNEIL(マックネイル) モデル番号:9097
木型番号:7-97 ※Dウィズ 製法:グッドイヤーウェルテッド(オールアラウンドアウトステッチ。リバースウエルト付き)
アッパー:米ホーウィン社製シェルコードバン
ライナー:フルカーフスキンライニング&ロングレザーインソックライナー
ソール:ダブルレザーソール(オークバーク製。オープントラック仕立て)
カラー:バーガンディのみ
製造国:アメリカ
価格:87,150円

お問い合わせ:バーニッシュ TEL.03-3468-0152
http://www.burnish354.com
http://www.gmt-tokyo.com
http://www.allenedmonds.com

 
 

文:山田 純貴 写真:猪又 直之