CLOSE UP SHOES

アルティジャーノの伝統技巧に
トレンド感をプラスした一足

今季リリースされたア・テストーニからニュー・コレクションの紹介です。同ブランドのトラディショナルなスタイルに、軽快でカジュアルな印象を与えた絶妙なデザインが魅力です。 ア・テストーニは「世界一美しい靴を作る」という夢を抱いた若き靴職人、アメディオ・テストーニによって1929年に創業。ボロネーゼ製法をはじめ、登山靴に端を発するノルベジェーゼ製法など、現在でも職人の手仕事を多く残し、大量生産品にはないクオリティーを堅持しています。 なかでもブランドの顔になっているボロネーゼ製法は、柔らかな上質な山羊革を使い、手縫いされた裏張りは、まるで手袋のように優しく足を包み込んでくれます。この製法で作られた靴は、靴の前方に伸縮性が出る一方、後方は踵を支えるために堅めの形状になっているのが特徴。これにより歩行時の快適さを実現しているのです。 また、中底まで完成された靴に木型を入れたまま一定期間寝かせて、その後木型を抜いて、本底をすべて手縫いで仕上げている(ピューマラピット特許)のも他社にはない特長。量産メーカーの多くは、効率化を図るためにすぐに木型を靴から抜きたがるものですが、ア・テストーニでは高いクオリティーを保つための努力を惜しみません。

さて、こちらのブラックラベルラインの「M12226ASG」は、ボロネーゼ製法で仕上げられているため柔軟性に富み、歩行時のソールの返りが優れています。また、ライニングには山羊革を使用しているため、足あたりも快適そのもの。一般的な靴メーカーがアッパー(甲革)に使用するような、上質な山羊革をライニングに採用しています。 アッパーは一見すると黒ですが、革の断面をよく見るとコバルトブルーになったバイカラーカーフを使用しています。この革はコバルトブルーに染め上げた上質のカーフを、さらにブラックで染めるという大変手の込んだ仕上げです。それに合わせたコバルトブルーのステッチも心憎い演出といえます。コバまわりに施されたスパイラルも装飾的で素敵です。 木型は、イタリアらしいロングノーズでありながら、トレンドであるラウンドトゥを加味した丸みのあるトゥになっており、伝統的なフルブローグ(ウィングチップ)のデザインとの相性も抜群。さらにソールにホワイトラバーソールのMICROを採用することで、軽快なカジュアル感を演出している点も逃せません。

ホワイトラバーソールはここ数年のトレンド仕様ですが、上質なアッパーと職人技を反映した製法によって、高級感を保っているところがア・テストーニらしくて素晴らしいです。ブラックラベルラインでこの価格はリーズナブルと言えるでしょう。 コーディネイトはホワイトラバーソールの軽快感を生かして、ちょっとカジュアルなジャケパンスタイルがおすすめ。製品洗いしたブルー系のアンコンジャケットに、白のジーンズ。首元に涼感漂うストールを巻いて、マリン風にしてみるのも春らしくていいですね。

A.TESTONI(ア・テストーニ)

シリーズ名:Black Label Line(ブラックラベルライン)
品番:M12226ASG
木型名:ASTI-アスティ
製法:ボロネーゼ製法
アッパー:Bicolor Calf
ライナー:ヤギ革
ソール:ラバーソール 名称:MICRO
カラー:ブラック×コバルトブルー
製造国:イタリア
価格:94,550円

お問い合わせ:ア・テストーニ 銀座本店 TEL.03-3575-8025
http://www.testoni.com

 
 

文:倉野 路凡 写真:吉岡 広和