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英国靴の正統ブランドがスタッズをまとう、超個性派フルブローグで新境地を開拓!

ノーサンプトンといえば英国靴の一大生産地、というのは靴好きの“常識”です。英国靴を象徴するシューズブランドの製品は、そのほとんどがこの地で生産されています。今回ご紹介するホワイト&コーもまた、日本ではまだその名が浸透してはいないものの、120年以上もの歴史をもつノーサンプトンの老舗メーカーです。
「ホワイト&コー」は会社名であり、1996年スタートのオリジナルブランドの名称でもあります。同社は1890年、ノーサンプトンシャー州東部の町アールズバートンで、ホワイト兄弟によって創業されました。当時の英国は産業革命によって経済が成熟し、国力が絶頂にあったヴィクトリア朝後期でしたので、ホワイト兄弟が作るブーツは植民地などに向かう渡航者らにとりわけ好まれ履かれていたそうです。
第二次世界大戦が始まると軍用靴を生産。この時期に開発されたミリタリーラストや製靴法、量産体制などが戦後の同社の靴作りの下地となりました。なかでもボウリングシューズ、クリケットブーツ、ラグビーブーツといったスポーツの分野で強みを発揮するように。また、1960年代以降、ドクターマーチンの生産も担った実績から、ストリート系を得意とするメーカーととらえる向きもあるようですが、実際にはドレス、ミリタリー、ワーク、スポーツなどありとあらゆる分野の靴が生産できる実力派なのです。

そこでご紹介するのが同ブランドの「ビジネス コレクション」の1作である、こちらのストレートチップです。オーソドックスなキャップトウオックスのデザインながら、内羽根がストレートフロント、すなわち前方の切り替えが直線的であるため、若々しくスポーティな印象です。また、木型はトウが内側に振られたインサイドストレート&アウトサイドカーブのコンフォート形状で、しかも、どこかオフィサーシューズ(士官用の靴)のような雰囲気も。筆者などは、これらが同社が長年にわたり手掛けてきたスポーツシューズや軍用靴の影響によるものと考えたのですが、いかがでしょうか?
製法はといえば、英国の伝統的製靴法であり、同社が昔も今もこだわり続けているグッドイヤー。なのに、手に持つと意外にも軽く、これにはちょっと驚かされました。今まで「重いから」とグッドイヤー靴を敬遠してきた人も、これなら抵抗感なく履くことができるのでは? しかもお値段はといえば、正真正銘のノーサンプトン製の本格靴ながら、なんと3万円台! と知り、これはもう、デイリーで気後れなく使用する実用靴として相応しく、また、英国靴の入門モデルとしても理想的ではと思うのです。

WHITE & CO(ホワイト & コー)

アイテム:キャップトウオックスフォードシューズ
モデル番号:WM-024
コレクション名:BUSINESS COLLECION(ビジネス コレクション)
木型番号:10885
製法:オールアラウンド・グッドイヤーウェルテッド
アッパー:カーフ
ライナー:レザーライニング
ソール:オープントラック・シングルレザーソール
カラー:ブラックのみ
製造国:イギリス
価格:35,700円

お問合せ:渡辺産業プレスルーム TEL.03-5466-3446

 
 

文:山田 純貴 写真:吉岡 広和