アノーニモは1997年、伊フィレンツェでフェラガモのマーケティングディレクターだったフィデリコ・マセッシィ氏によって設立された。このブランドのもう一人のキーマンとなっているのが、パネライの元経営者ディノ・ゼイ氏だ。
ゼイ氏は伊海軍潜水部隊で活躍し、兵器研究所の長官も務め、退役後の1972年にオフィチーネ・パネライ社を設立。同社をリシュモンに売却するまでの間に今日のパネライの基礎を築き、ミッションウォッチなるカテゴリーを世に知らしめた。そして、アノーニモではゼイ氏の名前を冠したディノ・ゼイ ラインの開発に携わっている。

独自開発(特許取得)の6時位置の底面リューズロックシステム。右上は以前パネライのケースを作っていたアノーニモのケース工房。

独特な形をしたスクリューバックロックの裏を見れば、パネライのケースを作っていた工房が手がけていることがよく分かる。

文:山田 純貴

パネライの元経営者ディノ・ゼイ氏(左)とフィデリコ・マセッシィ氏(右)

アノーニモはスイス生産によらず、デザインから最終組み立てまでのほとんどをフィレンツェで行っている。ムーブメントもスイスのデュボワ・デプラ社やETA社のエボーシュを改良したオリジナルであるし、ダイバーズの革ベルトでは、松脂などでなめすことで革本来の質感と通気性を損なうことなく防水性を実現したコディアック加工レザー(特許取得)を採用。また、防水性を高め、誤操作を防ぎ、かつ時計全体を美しく見せることのできる6時位置の底面リューズロックシステムもまた独自開発(特許取得)であるなど多彩な独自技術を打ち出し、デザイン面でもスポーティな表情で比類ないファッション性を表現。
今年6月のピッティ・ウオモ(フィレンツェで年2回開催されるメンズファッションの見本市)ではクラシコ・イタリアのブースに出展されるそうだが、それを機にイタリアの洒落者らの間で大いにブレイクするにちがいない。

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