その書き味は、 ナポリ仕立てのスーツのように 味わい深い
1982年に南イタリアのナポリ郊外にあるパレーテで創業したデルタ。アルチザン(伝統職人)の手仕事による筆記具はクオリティーが高く、世界のVIPにも認められている。1994年にナポリで開催されたG7(先進国首脳会議)では、各国首脳の調印式でデルタの万年筆が使用されている。 代表モデルの「ドルチェビータ」シリーズは、「テーラーメイド・イン・イタリー」をコンセプトに掲げ、まるでナポリ仕立てのスーツのように、熟練職人の卓越した技術によるハンドメイドを目指している。そんな職人の手から生まれたオレンジ色のボディは地中海にふりそそぐ太陽のように眩く、そのフィッティングは同地の人懐っこい気質のように温かい。クリップは独自に開発されたローリングウィール(車輪)クリップと呼ばれるもので、ポケットに差し込んでも生地を傷めない構造になっている。デザインの完成度と仕上げの丁寧さに加え、これほどインパクトのある定番モデルは他社には作れないだろう。 デルタのこだわりはボディやキャップの素材にも及んでいる。金や銀、セルロイド、特殊レジンといった筆記具にとって最高の素材を選んでいるのである。 また、限定生産している少数先住民族にスポットをあてた"インディジナスピープル コレクション"も人気が高く、これまで「アイヌ」「コサック」「マオリ」「トゥアレグ」「イヌイット」「ネイティブ アメリカン」「マサイ」などを発表している。各民族を象徴する色やモチーフを、筆記具という限られたスペースに巧くまとめているとろが素晴らしい。さらに各シリーズのトップモデルには、レバーフィリング式のインク吸入システムを装備している。これはボディの側面に取り付けられたレバーを起伏させることで、インクを吸入する構造で、万年筆好きにはたまらない懐かしい方式なのである。イタリアの筆記具メーカーのなかでも手作りにこだわる数少ないメーカーといえる。
Text: Rohan Kurano
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