新進ブランドながら
スペイン靴本流の血筋。

メルミンの主宰者ホセ・アルバラデホ・ラミス氏は1963年、スペイン東部、地中海に浮かぶバレアレス州マヨルカ島に、100年以上靴作りを営む家庭に生まれました。彼の父はヤンコの創業者ホセ・アルバラデホ・プハーダス氏。長男のホセ氏は10代前半から父の仕事を手伝いながら靴作りを覚え、学校を卒業してから本格的に父の仕事を手伝い始めました。
ところが、経営パートナーとの意見の違いから父が会社を去り、その後ホセ氏が最高責任者になりましたが、大きなメーカーでは実現できない理想の靴作りをしたいという想いが強くなり、2002年に弟のアレサンドロ氏と技術者数名で小さな靴工房を興しました。それがメルミンの始まりです。
ホセ氏は靴作りを始めたとき、まず革の魅力に惹きつけられたといいます。世界各地のタンナーを巡り、原皮から鞣し染色までの革ができる工程すべてを研究し、現在に至っても革に対する探究心は尽きません。また、靴のフォルムを決める木型作りも同氏のライフワークで、自ら木型を削り出します。スペインの靴メーカーでは既製の木型を使うのが一般的ですが、その中にあって独自の木型にこだわり続けています。このこだわりと経験が、やがてメルミンの靴作りへと進化していったのです。

靴を知り尽くしているからこそ出来た
品質と実用性を兼備した靴作り。

メルミンはお膝元であるスペイン・マヨルカでは、古い機械による小ロット生産を行う小規模な工場と、手仕上げを行うアトリエ的な工房で伝統的な靴作りを行なう一方で、国内外の契約工場では幅広い要望に応える靴を生産しています。メルミンの熟練靴職人が技術指導を行った複数の契約工場に、各自が最も得意とする工程を生産委託しているのです。契約工場では現代のテクノロジーを取り入れスニーカー並の履き心地を実現した靴や、均一な製品・品質と同時に大量生産が求められるヨーロッパ各国の軍の士官用の靴などを手掛けています。
このことからもわかるとおり、メルミンが目指す靴作りは、限られた人にしか履けない高価な靴ではなく、日常生活に欠かせない道具として良質な靴作りを行うことと言えるのでしょう。

左がメルミン主宰者ホセ・アルバラデホ・ラミス氏。右がスペインの工場。

スペインでは既製の木型を使う事が多いがメルミンは自社木型を使用。

スペイン・マヨルカで作られたハンドソーンウエルテッドとノルベジェーゼ製法の靴。手仕事なくして作れない、自社工場ではこういった靴を手掛けている。

踵部に高反発材を採用。フルベット構造でスニーカー並の履き心地を実現。伝統的な靴にはない歩行性が魅力。スペイン国外の契約工場で作られる。