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明治5(1872)年、日本で初めて西洋靴の製造を開始した大塚製靴。新橋の芝露月町に大塚商店として創業した当時は、まだ文明開化から間もなく、日本には西洋靴を履く習慣がなかった。しかし同社は「近い将来、必ず靴が日本人のライフスタイルに不可欠な必需品になる」と考え、本場西洋の靴にも遜色ない高品質の靴作りができるよう、職人たちを育てながら技術の習得に邁進した。その努力は明治22(1889)年に開催されたパリ万博で、出品した靴が見事に銀牌の栄誉に輝くという形で結実する。創業からわずか17年にして、世界の靴メーカーと比肩できる技術力を会得したわけだ。大正11(1922)年にはグッドイヤー式製靴機械を導入、靴作りをひとつの産業へと発展させる大きな牽引力となった。以来同社は現在に至るまで、西洋靴という文化を日本に定着させ、日本人の足に合った靴の追求に専心し、常に技術の研鑽や素材の改良に努めてきている。
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OTSUKA M-5(オーツカ エム・ファイブ)
〒105-0004 東京都港区新橋4-23-4 オーツカビル1F
TEL.03-3437-1872
営業時間/11:00〜19:00 土・日・祝休み
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「OTSUKA M-5(オーツカ エム・ファイブ)」は、そんな大塚製靴が創業時の原点に立ち返り、“顧客一人ひとりを大切に、一足を丁寧に作り上げていく”精神を受け継ぐため、注文靴中心の靴店としてオープンさせた旗艦店だ。豊富なラインアップで「リアルクラシック」を体験できるオーダーサロンとして、2003年3月15日の「靴の記念日」を機に新たにスタート。店名・ブランド名となった「M-5」とは、創業年の明治(MEIJI)5年に由来したものだ。
店内は、靴作りと修理の工房を備え、常駐する熟練した手縫い職人による靴作りの技をオープンスペースで見ることができる。店内の雰囲気は明るいながらも高級感あふれるイメージで、BGMには50-60年代のジャズが静かに流れる。豊富なメニューを基本に、本物を知る大人の顧客一人ひとりの思い描くイメージが一足の靴になるまで、丁寧に相談に乗ってもらえる空間になっている。ラストの作成から始まり、サイズもデザインも完全にオーダーで仕上げるフルビスポークは、一足315,000円から。製作期間は仮縫いを含め約6ヶ月となる。また、ラウンドタイプ・スクエアタイプの2種のラストから選ぶハンドメイドは、製作期間約4ヶ月で15万7,500円から。同マシンメイドは約3ヶ月、8万4,000円から。
ひとつひとつの工程で、自分らしさを表現していく楽しみ、仕上がりの日を心待ちするひそかな喜び。そして、履き込み、手入れを重ねることで真に自分だけの靴に変化させていく至福……。そんな靴作りの醍醐味を堪能できる「OTSUKA
M-5」では、時間をかけた人だけが得られる最上級の贅沢を、130余年の歴史を込めて形にしてくれる。
文:泉川 由理 写真:原 ヒデトシ
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