![]() |
![]() ここ数年、よく耳にするのが「NAKATAのハンガーは品質がいい」という声だ。中田工芸の歴史は古く、1946年(昭和21年)まで遡ることができる。当初は生活雑貨を扱う荒物屋として創業したが、取り扱っていたハンガーの需要が伸びはじめ、ちょうど木工の職人を抱えていたことも追い風となり、次第にハンガー専業のメーカーになっていった。現在でも工場は兵庫県の豊岡市にある。当時はオーダースーツが全盛ということもあって、大阪や神戸のテーラー、関西の百貨店に納めていたそうだ。現在では高級ブランドやセレクトショップ、外資系ホテルの特注品も多く手がけている。 ![]() スーツやジャケットを細い針金ハンガーで保管している人はさすがにいないと思うが、「ハンガーにこだわっている」と胸を張って言える人も少ないだろう。よほどのスーツ好きでないと既製スーツを買ったら付いてくるおまけのような黒い量産タイプのプラスチックハンガーで済ましている人が多いのでは。適度な厚みがあるため短時間なら大きく型崩れすることはないが、襟周りがフィットしていないことも多く、上襟に変な癖が付いてしまったり、背中上部にツキじわができることもある。それに耐久性の点でも不安が残る。間違って踏んづけてしまうと(笑)、簡単に割れてしまうし、なによりも量産品といったチープなイメージがつきまとう。その点、丁寧に作られた上質の木製ハンガーは高級感と温もり感が漂うだけでなく、スーツにとって理想的な状態で吊るせるので長期間の保管に適している。ハンガーはけっしてスーツの付属品ではなく、とても重要なアイテムなのだ。 ![]()
写真上:今回取材に対応してくれた中田工芸の3代目中田修平さん。現在は東京の営業拠点となる青山ショールームで活躍中。 写真右:都営地下鉄銀座線、青山一丁目駅に直結する青山ツインタワー西館1階にあるナカタハンガー ショールーム。 ![]() 中田工芸が使うハンガーの素材は90%以上がブナ材だそうだ。この木は硬くて頑丈で、節目が少ないためハンガーに向いている。調達はヨーロッパから乾燥させた木材を輸入して、中田工芸の工場で生産している。個人向けのハンガーはすべて豊岡市の岩中工場で生産。業務用ハンガーは中国の工場で半完成させ、要となる工程から仕上げを岩中工場で行っているのである。 ![]() NHシリーズは中田工芸の高い技術力を反映させた最高級シリーズだ。一般的な木製ハンガーは2つのパーツを中央でつないで製作するのだが、このNHシリーズは一枚の板から削り出して作るため、つなぎ目がない。成形、削り、磨き、塗装、検品までの全工程が熟練職人による手作業で行われている。とくに、秋冬物のジャケットの型崩れを起こさない厚みは40mm前後と言われているが、この最高級のNH-1は60mmの厚みを誇る。また一本ずつ鉋をかけて削り出した、人の肩に合わせてなめらかに湾曲している形状にも匠の技を感じさせる。まさに人の肩をそのままハンガーにしたようなものである。
一枚板から削りだした最高級ハンガー「NHシリーズ」。
オーセンティックシリーズではパターンオーダーを展開している。
ハンガーに名入れもできるのでギフトとしても人気。 ![]() オーセンティックシリーズでは1本(8400円)からオーダーできる「パターンハンガー」も展開している。こちらは同シリーズのAUT-05のデザインをベースにしたパターンオーダーシステムで、肩幅36cm〜48cm(1cm単位)の幅広いサイズそれぞれに、肩上がり・レギュラー・肩下がりといった3つ異なる傾斜角度の型が用意されている。また、塗装の色、金具の色も選べてしまう。とくにハンガーの傾斜角度まで対応してくれるハンガーは世界中探してもないはず。長期保管のことを考慮すると、まさに理想のハンガーなのである。 お問合せ:中田工芸株式会社 http://www.hanger.co.jp/ 文:倉野 路凡 ロケ写真:猪又 直之 |






