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『OBJ』が眼鏡セレクトショップの
草分けにして急先鋒と呼ばれる理由。

海外メゾンの旗艦店や目利きが通う名店などが軒を連ねる銀座2丁目の一角に、「OBJ east(オブジェ・イースト)」という眼鏡セレクトショップがあることをご存知だろうか。もし貴方が眼鏡というプロダクトに、視力矯正用の医療器具としての側面と同時に、嗜好品としての楽しさを強く求めるのであれば、ぜひ訪ねてみるべき名店だ。
 実は、この店のルーツは1991年に京都の北白川で創業し、現在も京都の目利きたちに支持されている名店「OBJ(オブジェ)」にある。今でこそ眼鏡がファッションの一部として認識され、嗜好品としての価値が見出されているが、同店の創業当初はそうした認識は皆無。そんな中、眼鏡をファッションやアート、そして嗜好品として提案する“アイウエアセレクトショップ”を立ち上げた、つまり草分け的な存在だ。
 創業者の柳島邦門氏が語る言葉にも、そうした草分けとしての志と思いが垣間みられる。
「当時は、眼鏡のセレクトショップという業態も認知されていない上、現代のようなビジュアルマーチャンダイジングというような言葉も存在しませんでした。また、眼鏡自体も現代のようなファッションや嗜好品としてのフィルターを通したものはほとんどありません。そうした中、オリバーピープルスやLAアイワークスといったアメリカのブランドが“眼鏡はもっとファンキーなものなんだよ”というメッセージを放ち始めた。これらのブランドに衝撃を受け、彼らのようなデザイナーの思いを伝えたいと思ったことが、眼鏡店を始めるきっかけになりました」

人間と機械の距離が近かった
1950〜60年代の空気を伝える

 そうした思いは、京都本店はもとより、「オブジェ・イースト」の店舗デザインにも当然、表れている。
「私自身、1950〜60年代前半のプロダクトが大好きなんです。それは眼鏡に限らず、クルマや筆記具など様々な道具に共通するのですが、それは’50〜’60年代は人間と機械の距離がとても近かった時代だと思うから。そうした時代の空気は、男の遊び心やロマンをかき立てますでしょう。そんな思いもあって、店舗作りにおいては、京都本店はイタリアのクラシックボート、銀座店の「オブジェ・イースト」はシトロエンDS、そしてもうひとつの大阪店はコンコルド、というように、どの店舗も少年の頃に憧れた乗り物をコンセプトに設計をしています」
 商品のセレクトにおいても、独自の感性に基づいて吟味されている。
「アイウエアについては、ヨーロッパ発信のブランドであってもアメリカのフィルターを通したものを中心にセレクトしています。私を含めて日本人はアメリカを媒介にして様々なものを吸収してきたということもありますし、その方がヨーロッパの尖った部分が優しくなり、日本人でも合わせやすくなるからです」
 その上で、銀座店である「オブジェ・イースト」では、目利きである個々のスタッフの審美眼にかなったものも置かれる。自分が本当に好きなものを仕入れて、その思いをユーザーと共有する、つまりセレクトショップの原点ともいえるスタイルが貫かれているのだ。
 ちなみに「オブジェ」は、オリジナルフレームも手がけており、こちらは「本当に作りたいモノだけを作る」という思いを貫きながら、出色のコレクションを展開している。例えば「obj vintageT」というモデルは、この店ならではのこだわりを垣間見る上での好例。昭和初期のメタルフレームの修理を請け負ったが、店としてその精度に納得がいかなかった。そのため、依頼者の了解を得た上でそのフレームを1年間預かり、信頼できる職人の力を借りながら、フレームの佇まいはそのままに、現代的なかけ心地に仕上げたフレームをあらたに作り上げてしまったのだという。
「オブジェ・イースト」を訪れた際は、そんな出色のオリジナルフレームにまつわる数々のエピソードをきっかけに、眼鏡談義に花を咲かせるのも一興。嗜好品としての眼鏡の愛する者同士思いを共有できる数少ない店として、利用しない手はないのだ。

OBJ(オブジェ) http://www.obj.co.jp

1991年に眼鏡セレクトショップの草分けとして創業。昨年11月のリニューアルを機に店舗面積を拡張した。イタリアのRIVAというクラシックボートをイメージした店内には、選りすぐりのフレームやサングラスの他、最近取り扱いを始めた筆記具もラインナップされている。
京都府京都市左京区一乗寺野田町2-2 ハイツ白川1F
TEL.075-711-6109

OBJ osaka(オブジェ・大阪)

2008年11月、大阪北堀江にオープンした大阪店。コンコルドをイメージソースとする店舗は、1Fがサングラス、2Fが眼鏡フレームで構成されている。過去3回グッドデザイン賞を受賞した経歴のある柳島氏の手によるオリジナルフレームも、数多く揃う。
大阪府大阪市西区北堀江1-9-14
TEL.06-6533-0066

OBJ east(オブジェ・イースト)

2000年秋に銀座の中心街にオープンした東京店。シトロエンDSをデザインソースとしたギャラリーのような空間に、ミキータ、アイシーベルリン、そしてオリジナルを始め50以上のブランドの眼鏡フレームやサングラスが整然と並ぶ。銀座という土地柄ゆえ、目利きの他、著名人の顧客も多い。
東京都中央区銀座2丁目8-9 木挽館銀座ビル1F
TEL.03-3538-3456

おすすめモデル

obj water ACE LUXE II 04  25,200円  オブジェオリジナル代表作のひとつ。クラシックな佇まいの中に先鋭的なニュアンスを持たせたフレームをお探しならば、この1本をおすすめしたい。

Markus T  D2 D032  43,890円  ドイツの若きクリエイター、マルクス・テミング氏が手掛けるシンプルながら独創的なアイウエア。手に取った瞬間、その軽さと弾力性に驚かされるはず。

obj water expedition 02  26,250円  オブジェが手がけるオリジナル。ここ数年来一大潮流となっているクラシックフレーム。その重厚にして流麗なフォルムは手仕事なくして生み出せない。

FRENCY & MERCURY  A.J.  29,400円  若きデザイナー、Eque.M氏が展開するドメスティックブランド。日本人の顔に絶妙フィット!しかも表情をセクシー& クールに見せてくれる。