シューシャイン東京 Shoeshine TOKYO

靴磨き+靴修理のハイブリッドなサービスを提供!ニュースタイルショップ「シューシャイン東京」に注目

靴を大切にする人たちの間で、今、一番話題のシューケアショップです

靴磨きをビジネスへと進化させ、そのビジネスモデルを創始した「靴みがき本舗」が、本店、横浜ダイヤモンド地下街店に続く3店舗目として2011年7月にオープンしたのが、ここに紹介の「シューシャイン東京」だ。「靴みがき本舗」はその名のとおり、靴磨きに特化した専門店だが、実は修理の依頼も少なくなかった。そこで、顧客からのそうしたニーズにより幅広く対応すべく、すでに靴修理の経験をもつスタッフ2名もプロジェクトに加えつつ「靴磨き+靴修理」という新たな取り組みを模索した。結果、誕生したのが「シューシャイン東京」である。

同店は「靴みがき本舗」本店が入る建物に隣接するビルの1階にあり、アクセスはJR新橋駅から徒歩1分ほど。汐留口から延びる地下通路を利用すれば、雨に濡れることもなくたどり着くことができる。
モダンで洗練された店内は、黒を基調にした落ち着きある雰囲気で、しかし、通路側にあえて壁は設置していないので、一見するとお洒落なオープンカフェのように開放的である。そのいっぽう、利用者が通路からの人目にさらされぬようベンチ脇に仕切りを設けるなど、利用者目線のさまざまな工夫が凝らされていることに感心させられる。また、利用者の目に直接触れることはないが、店舗奥にリペア工房が併設されているのが「靴みがき本舗」との大きな違いである。この工房併設により、「シューシャイン東京」では持ち込まれたその場でリペアサービスを行う、いわゆるクイックリペアが可能となった。また、すべり革等、ミシンを使う作業も工房内で行えるという。

同店のリペアのうち、靴好きにとって気になるメニューのひとつが、本底のつま先部分に打ち込む補強材のビンテージスチールであろう。このメニューは他のリペアショップにも散見するが、3タイプのビンテージスチールをストックしているのはここだけかもしれない。しかも、他店に比して割安とあって大変好評なのだという。いっぽう、レディスではピンヒール用に赤や青などのカラフルなトップリフトを取り揃えているというのも、この店ならではだ。もちろん、靴磨きのメニューは「靴みがき本舗」と同様で、通好みな鏡面仕上げの「ファインシャイン」や、コードバンシューズに対応する「オールデン ケア&シャイン」といったこだわりメニューも取り揃えており、また、たとえば複数の色を複雑に乗せて仕上げる、といった要望にも対応が可能であるという。
なお、靴磨き、リペアともに送付でも受け付けているとのこと。来店が難しい遠方在住者でも、この方法で気軽に「シューシャイン東京」のサービスが受けられるのは嬉しいかぎりである。

店内にはシャンデリアがあり洒落たカフェのような雰囲気。

靴磨き専門でスタートした靴みがき本舗

新橋駅近くの地下飲食街の一角に「靴みがき本舗」がオープンしたのは2009年9月。“路上”のイメージを払拭してこの分野のビジネス化を実現すべく、4名のスタッフと約3坪のスペースでスタートした靴磨き専門店のパイオニアだ。その飲食街が面する地下通路はJRの汐留口と都営浅草線をつなぐ導線で、1日約5万人(平日)が利用する。そこで、そこに案内板を設置するなどして集客を図ったところ、ビジネスマンらの利用が増え、ほどなく経営は波に乗った。また、飲食街最奥という立地から「靴を磨かれている姿が人目に触れないので落ち着ける」と好評だ。
ところで、同店の技術は“路上”とどう異なるのか? その最大のものは、光沢仕上げにある。クイックメニューの「クラシックシャイン(1足あたり所要時間15〜20分)」でも十分以上の美しさだが、預かりメニューの「ファインシャイン」では仕上がり面に当てた光の輪郭がくっきり映る鏡面にするのが、社内基準である。素人では困難なこの仕上がりを目の当たりにすると“癖になる”ようで、それゆえ利用者のリピート率が高いのも同店の特長だ。

好きな靴磨きをしてお客様に感謝され素晴しい仕事と語ってくれた店長の藤本秀樹さん。

3タイプをそろえるビンテージスチールは人気メニューのひとつ。クイックメニューを中心にしたリペアは、店舗に隣接して設けられた工房で行われている。

現状に甘んじず、たゆまず独自のノウハウを開発

「シューシャイン東京」は、これまでに蓄積してきたノウハウに甘んずることなく、さらに技術を向上させるべく、日々、研究を怠らない。たとえば、それは先述したコードバンシューズ向けメニュー「オールデン ケア&シャイン」にも当てはまり、スタッフらが国産コードバンのタンナーである兵庫県姫路市の「新喜皮革」を訪問。磨きとは無関係にも思えるなめし工程を学ぶことで、この革の特性をより深く理解し、それを磨きの技術に活かしている。そしてこれにより、履き込んで艶を失ったコードバンが驚くほどの輝きを取り戻すのだ。また、コードバンシューズではご法度の水洗いにもトライ。オフィシャルサイトを見れば、掲載されたそのレポートから、洗浄によってオイル抜けしたコードバンシューズに、馬油や専業タンナーが使用するオイルで加脂しつつ、もとの状態以上のコンディションに仕上げることを目指し試行する様が理解でき、思わず、この画期的な技術の完成に期待を寄せてしまう。

オールデンなどとともに、同店がケアを手掛けることが多いジョン ロブについては、同ブランドが販売店に推奨しているケアのメソッドを採用。革に負荷が及ぶ可能性もあるクリーナーは使わず、乳化性クリームで汚れや古くなったクリームを落とすといった手法により、ミュージアムカーフやミスティカーフといったトップグレードの革を繊細で品ある風合いはそのままに、より美しく仕上げることを可能にしている。

さらに注目すべきは、年に一度、短期間ながらスタッフらが海外に研修に赴いている点だ。これは各国の靴磨き&靴修理事情を探り、また、現地で行われている靴磨きなどの技術を習得することを目的とした技術研修。第1回目の昨年(2011年)は渡仏し、いくつかのメゾンブランドや靴磨き専門店を訪ねて、そこで仕上げ法を学ぶなどしている。すでに卓越した技術力をもちながらも、さらに海外でより多くの情報を集めて、それを自らのものにしようとする、この貪欲さが「シューシャイン東京」の真骨頂なのであろう。ちなみに、現在、そのフランス研修で得たパティーヌの技術をより完成度の高いものとすべく研究中であるとか。また、今年の技術研修先がアメリカと聞けば、こちらも大いに期待したくなる。

黒を基調にアクセントに赤をつかった落ち着きある店内。3席あり通路側のベンチ脇に仕切りを設置することで、通路から店内を見えにくくする配慮が嬉しい。

シューシャイン東京 Shoeshine TOKYO

〒105−0004 東京都港区新橋2−20−15 新橋駅前ビル1号館1F
営業時間/10:00〜21:00(月〜金曜) 10:00〜18:00(土曜) 日曜、祝日定休
TEL.03−3573−1192 http://shoeshiner.jugem.jp

文:山田 純貴 写真:猪又 直之